「RHEL 8.4」が公開

 Red Hat(米IBM傘下)は5月21日、Linuxディストリビューションの最新版となる「Red Hat Enterprise Linux(RHEL) 8.4」公開を発表した。

 Red Hat Enterprise Linux(RHEL)8.4は、2019年5月に初版が登場した8系の最新版。開発チームは6ヶ月のリリースサイクルを導入しており、2020年10月に公開されたRHEL 8.3に続くリリースとなる。Linuxカーネルは4.18.0-305。

 テクノロジープレビューとして導入しているカーネル内仮想マシンExtended Berkeley Packet Filter(eBPF)を強化した。カーネルでは、control groups向けのslabメモリコントローラー実装が加わった。slabメモリの使用を改善でき、メモリの集計をページからオブジェクトレベルにシフトできるという。セキュリティでは、IPsec VPNでTCPカプセル化、IKEv2向けセキュリティラベルをサポートした。

 8.3で強化したエッジでの実装オプションを継続して強化し、アップデートの簡素化、接続されていないエッジシステムへのインストールなどエッジでのユーザー体験を強化した。Image BuilderでOCI(Open Container Initiative)コンテナイメージ内でOSTreeリポジトリを置くことができるようになった。Red Hat Enterprise Linuxサブスクリプションに含まれるRed Hat Insightsでは、4月にIT環境全体のビューが得られる機能が加わり、Red Hat OpenShiftとRed Hat Ansible Automation Platformにも拡大した。Cloud Accessプログラムも強化し、クラウドべーすのシステムを実装する際に簡単にコンテンツをコンシュームでき、Insightsエコシステムを使って管理できるという。コンテナツールではContainer Tools 3.0 AppStreamと新しくなり、podman、Buildah、Skopeo、runcなどが最新版となった。また、Python 3.9、Redis 6、PostgreSQL 13、MariaDB 10.5、それにGCC 10、LLVM 11、Rust 1.49、Go 1.15.7など、バージョンアップしている。

 このほか、Intel Tiger Lake GPUのサポートなども加わっている。

Red Hat
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