「Flutter 2.2」公開、Null安全がデフォルトに

 Google(米Alphabet傘下)は5月19日、UIツールキットの最新版となる「Flutter 2.2」を発表した。

 Flutterはネイティブにコンパイルされたアプリケーションを構築するためのUIツールキット。単一のコードベースから、モバイル(iOS、Android)、Web、デスクトップ、組み込みデバイスなどに向けてアプリケーションを作成できることを目指す。Flutter 2.2は3月に公開されたバージョン2系の最新版。Google年次イベント「Google I/O」に合わせて発表されたことから、「Google I/O Edition」と称している。

 Flutter 2.2では合計で2456件のプルリクエストがあり、3105件のイシューをクローズした。Null安全がデフォルトとなった。Null参照例外に対する保護となり、開発者はnon-nullable型を記述できる。DartではNull安全を健全な実装としており、コンパイラはランタイムでnullのチェックを行うため、アプリケーションの性能を改善できるとしている。バージョン2系でWebアプリケーション開発が安定となったが、2.2ではデスクトップ向けアプリケーションについても、Windows(Win32)、macOS、LinuxがベータにUWP(ユニバーサル Windows プラットフォーム)がアルファとなった。

 Web向けでは、サービスワーカー読み込みの新しいメカニズムによりキャッシュの振る舞いを最適化した。main.dart.jsの重複ダウンロードの問題を修正した。HTMLとCanvasKitの両方のWebレンダラも強化した。性能ではサービスワーカーのバックグラウンドキャッシュを導入したWebアプリに加えて、Androidアプリ、iOSアプリでも改善の試みが図られている。DevToolsスイートでは、アプリにおいてメモリがどのように割り当てられたのかを把握できる機能が加わった。また、外部ツールによる拡張もサポートする。合わせて公開したDart 2.13では、型向けにエイリアスを作成できる型エイリアス機能、ネイティブの相互運用性サポート拡大などが加わっている。

 このほかにも多数の機能強化が加わっている。

Flutter
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