Pythonの高速実装「Pyston 2.2」公開、プロジェクトはオープンソースに

 Pyston開発チームは5月5日、Pythonの高速な実装となる「Pyston 2.2」を公開した。最適化によりPythonより30%高速という。同時に今後Pystonをオープンソースプロジェクトとして開発することも発表した。

 PystonはCPython 3.8.8のフォークで、性能最適化を加えたもの。米Dropboxのプロジェクトとしてスタートしたが2017年に支援を打ち切った。2020年より専業組織が立ち上がり、開発が再開している。Pyston 2.2は2020年10月に公開されたPyston 2.0の最新安定版。これまでの技術を土台にチューニングや最適化を進めた結果、WebサーバーのベンチマークではストックPythonと比較して30%高速だったと報告している。特にJITと属性キャッシュ機構で高速化が図れたという。

 あまり使われていないPythonのデバッグ機能の無効化も進めた。これにより速度が2%改善したという。なお、開発チームによると、Pythonが動いているコンピュータの2%がデバッグのチェックを実行していることから、Pystonが実現する2%の高速化は意味があるとしている。PystonはPythonと互換性があることから、デバッグ機能が必要なユーザーはPythonを使うことができる、と使い分けを提案している。

 2.2公開とともに、Pystonをオープンソースとしてコードを公開することも発表した。ライセンスはPythonと同じPSF License。Pystonはオープンソースとしてスタートしたが、2.0でクローズドにしていた。今後は、有料のサポートサービスなどオープンソースのビジネスモデルの確立を進めるとしている。

Pyston
https://www.pyston.org