Mozilla、ブラウザ内でPythonを動かす「Pyodide」を独立プロジェクトに
Mozillaは4月23日、Webブラウザ内でPythonを動かす「Pyodide」を独立したプロジェクトにしたことを発表した。合わせて、最新版となる「Pyodide 0.17」も公開した。
Pyodideは、PythonのデータサイエンススタックをWebブラウザで動かすことを目指すプロジェクト。CPython 3.8インタープリタをWebAssemblyにコンパイルし、PythonのデータサイエンススタックをWebブラウザで使用できるようにする。Numpy、Pandas、SciPyなどのパッケージも使用できる。任意のPythonパッケージをPython Package Index(PyPi)からインストールできるほか、外部の関数とのインターフェイスも備える。これによりJavaScript、DOMなどのブラウザインターフェイスからPythonエコシステムを活用できることを目指している。
2018年にMozillaのIodideプロジェクトの一部としてスタートし、2019年4月に発表した。Iodideは学術的コンピューティングのための実験的なWebベースのノートブック環境で、現在メンテナンスは終了している。
今回Mozillaから独立したプロジェクトとなり、ボランティアチームによりメンテナンスされる。コアチームはガバナンスのドキュメントを承認し、開発ロードマップも公開している。同日発表したバージョン0.17では、変換モジュールを大幅に強化した。PythonとJavaScript間のオブジェクトの往復変換が同一のオブジェクトを生成することを目標したもので、Python-JavaScript-PythonとJavaScript-Python-JavaScriptの変換がオリジナルのオブジェクトと同じオプジェクトを生成するという(一部例外あり)。このほか、中央のAPIの再設計を行い、エラーとメモリのリークを削減する修正が加わった。
Mozillaは2020年8月に大規模な組織再編を発表、プロジェクトの切り離しや打ち切りが進んでいる。
Pyodide
https://github.com/pyodide
https://pyodide.org/en/stable/