「Ubuntu 21.04」が公開、Waylandがデフォルトに

 英Canonicalは4月22日、Linuxディストリビューションの最新版となる「Ubuntu 21.04」(Hisute Hippo)を発表した。Waylandセッションがデフォルトになったが、GNOMEは最新版ではなくバージョン3.8を採用する。

 Ubuntu 21.04は、2020年10月に公開されたUbuntu 20.10(Groovy Gorilla)に続く最新版。9ヶ月サポートされる。Linuxカーネルは5.11がベース。

 X.Orgセッションに代わって、GNOME Shell Waylandセッションがデフォルトとなった。サポートしているドライバで利用できる。X.Orgセッションも引き続きサポートする。デスクトップ環境は、20.10と同じGNOME 3.38。3月に最新のGNOME 40が公開されているが、本バージョンでの採用は見送りとなった。GTKもGTK3がデフォルトで、2020年末に公開されているGTK4は含まない。一方で、GNOME Shell UI向けでダークモードを改善した。デスクトップアプリは継続して標準のYaru GTKテーマを採用する。

 GoogleのアプリフレームワークFlutter SDKのプッシュを進めた。Snapビルドとの統合により、Flutterで構築したアプリを簡単にパブリッシュできるという。企業向け機能として、米Microsoftの「Microsoft Active Directory(AD)」をネイティブで統合した。ADドメインコントローラーからシステム設定が可能となり、システム管理者はGroup Policy Clientでパスワードポリシーやアクセス制御などのセキュリティポリシーを設定できる。Microsoftとは「Microsoft SQL Server」でも協業し、Azure上で最適化されたUbuntuイメージで利用できる。この強化は、LTSのUbuntu 20.04にもバックポートしたと報告している。

 このほかツールチェーンは、GCC 10.3.0、binutils 2.36.1、glibc 2.33、Python 3.9.4、Perl 5.32.1、LLVM 12、Go 1.16、Rust 1.50、Ruby 2.7.2など新しくなった。OpenJDK 11に加え、OpenJDK 16も利用できる。Ubuntu ServerではRails 6、QEMU 5.2、Libvirt 7.0、PostgreSQL 13.2、Samba 4.13.3など最新版となった。OpenStackは4月に公開されたOpenStack Wallabyをサポートした。

 デスクトップパッケージも、Firefox 87、LibreOffice 7.1.2-rc2、Thunderbird 78.8.1、PulseAudio 14など新しくなっている。

Ubuntu
https://ubuntu.com