型アノテーションが加わった「Numpy 1.20」が公開

 Pythonの数学的処理向け拡張モジュール「Numpy」開発チームは1月30日、最新版となる「Numpy 1.20.0」を公開した。型アノテーションのサポートなどが特徴となる。

 NumpyはPythonで多次元配列などの数学的処理を実行するためのパッケージ。Numpy 1.20は2020年9月に公開されたバージョン1.19に続くリリース。658件のプルリクエスト(PR)、184人の開発者が貢献するなど、過去最大のリリースとなった。Pythonのサポートはバージョン3.7〜3.9。Python 3.6のサポートは削除となった。

 大きな特徴として、型アノテーションとSIMD(シングルインストラクション/マルチプルデータ)の最適化の2つがある。型アノテーション(注釈)を大部分で利用できるようになった。numpy.typingサブモジュールも導入、ユーザーとダウンストリームライブラリが自分のコードに型アノテーションをつける際に利用できるという。numpy.typingは現時点では、ArrayLikeとDtypeLikeをサポートする。型アノテーションは現在継続中の取り組みとなり、今後も強化が続く予定という。マルチプラットフォームSIMDコンパイラ最適化では、x86(SSE、AVX)、ARM64(Neon)、PowerPC(VSX)の各命令セットをサポートした。sin/cos, einsumなどで性能の改善が見込めるとしている。SIMD関連についても継続中の取り組みとしている。

 このほか、dtype(データ型オブジェクト)の変更に関連した開発、Python 2.7削除に向けたクリーンナップなども進められている。次期Cython 3の初期サポートも加わっている。Numpy 1.20はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

NumPy
https://numpy.org