Red Hat、プロジェクトや非営利団体向けの無償RHELプログラムを発表

 Red Hat(米IBM傘下)は2月25日、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)のノーコストプログラム「Red Hat Enterprise Linux(RHEL) for Open Source Infrastructure」を発表した。「CentOS Linux」の打ち切りを受けて混乱するコミュニティに対する救済策の1つと位置付けられる。

 Red Hatは2020年末、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)互換の「CentOS Linux 8」を2021年に終了し、「CentOS Stream」に注力する方針を発表している。これにより、ホスティングなど運用環境で使用する開発者らの混乱が起きていた。Red Hat Enterprise Linux(RHEL) for Open Source Infrastructureはこれへの対応の1策で、1月に発表したNo-cost RHEL for small production workloads、No-cost RHEL for customer development teamsに続くものとなる。

 プロジェクト、コミュニティ、標準化団体などの非営利ソフトウェアグループなどに向けたものとなり、個人開発者向けではない。「Fedora、CentOS Streamに加わるもので、コミュニティ向けにオープンソースソフトウェアの作成とホスティングに安定した土台を提供する」と位置付けを説明している。適格だと認められた団体は、自分たちのインフラ内でRHELサブスクリプションを無償で利用できる。カスタマーポータル、ナレッジベースのコンテンツ、フォーラムにアクセスでき、分析ツールのRed Hat Insightsも利用できる。セルフサポートが原則だが、ノーコストでのサポートが受けられる場合もあるという。用途対象例として、ビルドシステム、継続的インテグレーション(CI)、テスト、Webサーバー/メールサーバーなど一般的な目的を挙げている。一方で、外部が提供するPublic CIインフラを利用するオープンソースプロジェクトは利用できないが、この状況についてもRHELプログラムの拡大について検討をしているとのことだ。

 Red Hatは、「これまでもRHELのノーコストアクセスを提供してきたが、プロセスがきちんと体系化されておらず、透明性がなかった」としている。2020年末のCentOS Streamへのシフト発表と合わせて、RHELにアクセスしてオープンソースソフトウェアの構築と検証ができることを確実に知らせたいと記している。

 RHEL for Open Source Infrastructureプログラムに関心のある団体は、専用のメールアドレス(rosi-program@redhat.com)に問い合わせることができる。

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