米Microsoft、クラウドネイティブアプリ構築ランタイム「Dapr 1.0」を公開

 米Microsoftの「Distributed Application Runtime(Dapr)」開発チームは2月17日、初の正式版となる「Dapr 1.0」公開を発表した。分散型アプリケーションを構築するためのランライムで、1.0ではKubernetes実装にフォーカスした。

 Distributed Application Runtime(Dapr)は、高い移植性を持つイベント駆動型ランタイム。開発者はこれを利用してマイクロサービスやステートレス/ステートフルアプリケーションを構築し、エッジやクラウドで動かすことができる。Kubernetesや自己ホスティング型のインフラに実装でき、マイクロサービスアーキテクチャを土台としたクラウドネイティブアプリを構築する際の障壁を下げることを目指す。2019年10月に初版を公開して以来、14回のリリースを経ての最新版となった。安定性とエンタープライズ対応という点で準備が整ったとしている。その間、貢献する開発者の数は6倍増えて、現在700人が開発に参加しているという。

 1.0ではKuberenetesをホスティング環境とするための機能開発にフォーカスした。Daprコントロールプレーンとサイドカーアーキテクチャへの統合を進め、Dapr CLIで簡単なコマンドを使ってKubernetesにインストールしたり、アップグレードできるという。

 DaprではHTTP、gRPCプロトコルを使って任意のプログラミング言語を使うことができるが、特にJava、.NET、Python、Goについては各SDKでのネイティブ言語体験を強化した。開発者は自分の開発環境を使うことができる。JavaScript/Node.js、C++、Rustなどについては現在プレビュー段階で、今後SDKを用意する計画だ。

 実際のワークロードでの拡張性と性能をテストしたほか、セキュリティ機能も加えた。今後、プロジェクトの成熟に合わせてサーバーレス環境でも運用できるような機能を拡充していきたいとしている。Dapr 1.0はプロジェクトのWebサイト経由で入手できる。 

Distributed Application Runtime(Dapr)
https://dapr.io