クラウド時代、プロプライエタリよりKubernetesなどのオープンソースを重視ーーIBMとO'Reilly調査

 米IBMは2月9日、O’Reilly Mediaと共同で行ったクラウドとオープンソースに関する調査をまとめた「The Value of Open Source in the Cloud Era」の公開を発表した。「特定のベンダーのクラウドに関連したスキルにフォーカスするより、クラウドの土台をなすオープンソース技術に関連したスキルを構築したいと思っている」とまとめている。

 「The Value of Open Source in the Cloud Era」はO’Reiily Mediaが公開したレポートで、過去20年のトレンドとしてオープンソースとクラウドの2つを取り上げた。調査期間は2020年秋で、3400人以上の開発者、技術部門のマネージャーを対象に行った。

 それによると、ほぼ全ての回答者が実装などのオペレーションのなんらかの部分でOSSを使用していることがわかった。94%の回答者がオープンソースを「プロプライエタリソフトウェアと同等、またはそれ以上」と評価しているという。

 クラウドプロバイダの選定でも、オープンソースは影響を与えていることがわかった。70%が「オープンソースをベースとしたクラウドプロバイダを優先する」と回答したという。

 プロプライエタリのクラウド製品よりも知識が必要な技術として上がったのは、Linux、コンテナ、データベースなど。Linuxについては、95%がキャリアにおいて重要と回答した。回答者の65%がLinux、Istio、Kubernetesなどのオープンソース技術を優先させるとし、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azureなど特定のクラウドプラットフォームに関連したスキルを優先するという回答は36%にとどまった。

 雇用とのオープンソースの知識・スキルの関係については、オープンソース技術は報酬が高く、職の機会が多いと見ていることがわかった。企業側では、オープンソースの知識があることは重要とする回答は51%、また67%がオープンソースの経験は特定のベンダーの技術よりも長期的な価値をもたらすと考えているという。

 レポートはIBMのWebサイトより入手できる(要登録)。

米IBM
http://www.ibm.com
米O’Reilly Media
https://www.oreilly.com