AWSがElasticとKibanaをフォークへ

 Amazon Web Services(米Amazon)は1月22日、「Elasticsearch」と「Kibana」のフォークプロジェクトを開始することを発表した。両ソフトウェアは先にオープンソースライセンスを変更したところで、AWSのフォークはこれまで通りApache License 2を採用する計画だ。

 AWSの動きの背景には、ElasticsearchとKibanaを開発するオランダElasticの方針変更がある。Elasticは1月15日、これまでApache License 2の下で公開していたElasticsearchとKibanaについて、ライセンス方針を変更し、独自ライセンスのElastic LicenseとSSPL(Server Side Public License)のデュアルライセンスにすることを発表した。理由について、クラウド事業者が貢献せずにオープンソース技術を活用していると説明していた。AWSは、Elasticsearchクラスタを実装、運用できるマネージドサービス「Amazon Elasticsearch Service(Amazon ES)」を展開している。このようなElasticの動きについてAWSは、「ElasticsearchとKibanaはもはやオープンソースソフトウェアとはいえない」と記している。

 AWSは2019年にElasticsearchに付加価値を加えた「Open Distro for Elasticsearch」を公開しているが、「アップストリーム優先というオープンソース開発の実践を踏襲している」「Elasticsearchへの変更は全てアップストリームプルリクエストとして送信している」「Elasticが提供する”oss”ビルドを自分たちのディストリビューションに入れている」とも主張している。

 AWSは新しいフォークプロジェクトの下、ElasticsearchとKibanaについてバージョン7.10よりApache License 2でコードベースを公開する。数週間内に新しいGitHubリポジトリを公開し、共に既存のOpen Distroディストリビューションに盛り込み、Elastic提供するApache License 2ベースのビルドをリプレースできるとしている。将来的に、Amazon ESもElasticsearchとKibanaのフォークを土台にする計画だという。

 「我々はオープンソースにコミットしている。ElasticsearchとKibanaを全員にオープンにし続けるため、2つの新しいフォークを立ち上げる」とツイートしている。なお、Amazon ESについては、全てのバージョンでElasticのライセンス変更の影響は受けないとしている。

Amazon Web Services
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