Kotlin DSLが高速化した「Gradle 6.8」が公開

 ビルド自動化ツールGradleの開発チームは1月9日、最新安定版となる「Gradle 6.8」を公開した。KotlinでGradleのビルドスクリプトを作成できるKotlin DSLの性能強化などが特徴となる。

 GradleはJava、Groovy、Kotlinで実装されたビルド自動化システム。Java、C++、Pythonなどの言語でプログラムを書き、任意のプラットフォームで実装できるようにパッケージできる。Android Studio、Eclipse、NetBeans、IDEAなどのIDEもサポートする。Gradle 6.8は2019年11月に公開されたGradle 6系の最新版。5.0で安定扱いとなったKotlin DSLを強化し、スクリプトコンパイルの速度が改善した。メモリの消費が削減され、Kotlinビルドスクリプトのリコンパイルを不要にするコンパイル回避機構を導入した。100サブプロジェクトを持つサンプルで6.7.1とスクリプトコンパイル時間を比較したところ、約50秒から約21秒に削減されたという。

 Javaツールチェーンのサポートも強化し、Javaのバージョンを宣言できるようになった。デフォルトでインストールされているJDKを自動検出して、ツールチェーンとして使用する。Groovyコンパイルタスクにもツールチェーンのサポートが加わり、ベンダーを選択できるようになった。

 別々のGradleビルドを単一のビルドにするコンポジットビルドでは、含まれているビルドからのタスク実行がコマンドラインから直接できるようになった。また、設定キャッシュが実験的に加わった。設定フェイズの結果をキャッシュすることで、ビルドの性能を改善するという。このほか、一貫性のある依存性解決のためのAPIなどの新機能や機能強化が加わっている。

Gradle
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