「bash-5.1」が登場

 GNU Projectのシェルスクリプト「Bash」開発チームは12月7日、最新のメジャーリリースととなる「bash-5.1」を公開した。

 BashはGNU ProkectのシェルでBourne Again SHellの略。sh互換のシェルで、ksh(Korn shell)、csh(C shell)の機能も取り込んだ。多くのLinuxディストリビューションやmacOSで標準のシェルとして採用されており、Windows 10でもWindows Subsystem for Linux(WSL)で利用できる。bash-5.1は2019年1月に公開されたバージョン5系の最新安定版で、5回目のメジャーリリースと位置付けている。bash-5.0の不具合の修正に加え、新機能も導入した。

 乱数生成を強化し、SRANDOMという新しい変数が加わった。システムのエントロピーエンジンからランダムなデータを取得するもので、リニアではなく、同一のランダムシーケンスを得ることもできない。

 環境変数のPROMPT_COMMANDSは、プライマリプロンプトをプリントする前に複数のコマンドを走らせることができるようになり、連想配列は複合代入内の一連のキーバリューの組み合わせを使えるようになった。

 waitで、wait -nのプロセスについてのPID情報を保存する-pオプションが加わった。また、プロセス置換をPOSIXモードでも利用できるようになった。

 バックスラッシュを含むが、引用されていないグロブ特殊文字を含まない文字のパス名拡張を行わないというbash-4.4の機能が復帰した。トラップ処理でも変更が加わっている。bash-5.0との後方互換性のない変更となり、注意を喚起している。

 Readlineでは、facesとして、リージョン(ポイントとマークの間のテキスト)をハイライトできる機能が加わった。カッコ付きの貼り付けにより挿入されたテキストを視覚的に表示できるもので、現時点ではカッコ付きの貼り付けに紐づいている。この他にも多数の細かな強化が加わっている。

GNU Bash
https://www.gnu.org/software/bash/