JITコンパイラを導入した「PHP 8」が登場

 プログラミング言語PHPの開発チームは11月26日、最新のメジャーリリースとなる「PHP 8.0.0」公開を発表した。JITコンパイラの導入をはじめ、多数の強化が加わっている。

 PHP 8.0は2015年12月に公開されたバージョン7に続くメジャーリリースとなる。

 JITコンパイラを導入した。2011年より開発が進んでいたもので、7.4で実験的に導入するという提案が否決されたなどの経緯を持つ。Tracing JIT、Function JITと2種類のJITコンパイルエンジンがあり、Tracing JITの場合は合成ベンチマークでコンパイラなしと比較して最大3倍高速になるという。特定のアプリケーションの場合は約15.2倍の改善が図れたとしている。

 名前付き引数もサポートした。必要なパラメーターのみを特定し、オプションをスキップできる。引数名で読みやすく記述できる。Match式をサポートした。結果を変数に保存したり返すことができるもので、複数の候補との比較の制約を持つなどの点でSwitchとは異なる。複数の型を示すことができるUnion型もサポートした。ランタイムで検証されるもので、PHPDocの注釈の代わりにUnion型を使って、1つ以上の型の値を受け入れたり返すことができる。構造を持つメタデータをクラスなどに埋め込むアトリビュート、Null安全演算子なども加わった。このほか、シンタックスなどで多数の機能が加わっている。

 PHP 8は、Windows向けのソースとバイナリを含めプロジェクトのWebサイトより入手できる。マイグレーションガイドも用意する。

PHP
https://www.php.net/