「GNU Guix 1.2」が公開

 GNU Guix開発チームは11月23日、パッケージマネージャ及びディストリビューションの最新版「GNU Guix 1.2.0」公開を発表した。合わせて、プロジェクト誕生から8周年を迎えたことも報告している。

 GNU GuixはGNU Projectが開発するGNU Operating Systemの高度なディストリビューション及びパッケージマネージャ。Scheme処理系であるGNU Guile向けのAPIとなるGuile Scheme APIも備え、パッケージ定義のための組み込みドメイン固有言語とシステム全体の設定が可能。パッケージマネージャとしてHurdまたはLinuxカーネルが動くシステムで利用できる。ディストリビューションとしてはi686、x86_64、ARMv7、AArch64の各マシンで動かすことができる。GNU Guix 1.2は2019年5月に公開されたバージョン1系の最新版。4月の1.1リリース以来、約200人が開発に参加し、1万200件以上のコミットがあったという。

 セキュリティ強化として、チャネルの認証機能が加わった。guix pullやguix describe -f channelsなどのコマンドでチャネルコードを暗号的に認証するようになり、認証されていないコミットを公式リポジトリに取得できないようになった。セキュリティではこの他、ソースコード向けに無条件にSHA256ハッシュを使っていたビルドデーモンとoriginプログラミングインターフェイスが、fixed-output derivations向けにSHA-3とBLAKE2sを使用できるようになった。

 ユーザー体験も強化した。グラフィカルなシステムインストーラー、他のディストリビューションでインストールするためのスクリプトなどで使い勝手を強化した。guix helpでは初心者向けにコマンドの紹介を用意した。この他、性能やコマンドラインも強化した。コマンドラインで利用できる変換の選択肢のインターフェイスとなる(guix transformations)モジュールも加わった。ディストリビューション側でも多数の強化が加わっている。

 GNU Guix 1.2はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

GNU Guix
https://guix.gnu.org