Kubernetes向けサービスメッシュ「Linkerd 2.9」

 サービスメッシュのLinkerd開発チームは11月9日、最新版となる「Linkerd 2.9」公開を発表した。ARM対応などが加わっている。

 LinkerdはCloud Native Computing Foundation(CNCF)の下で開発されているセキュリティ、軽量などの特徴を備えたKubernetes向けのサービスメッシュ。

 Linkerd 2.9は6月に公開されたバージョン2.8に続く最新版。Kubernetesのサポートは1.19となった。

 これまでHTTPトラフィックのみをカバーしていたmTLS(Mutual TLS)のサポートが、すべてのTCP接続で使用できるようになった。インストールした瞬間からクラスタ内のすべてのTCP接続で透明性のある暗号化と認証を実現できるとしている。

 ARMのサポートも加わった。AWS GravitonなどのARMベースのコンピュートやRaspberry Piクラスタで動かすことができるという。ARMサポートはリクエストの多い機能だったと明かしている。

 高速性を実現しているRustのマイクロプロキシであるLinkerd2-proxyを強化し、マルチコアのプロキシランタイムにアップグレードした。個々のポッド向けのスループットと並列処理を改善できるだけでなく、遅延も改善できるとしている。

 Kubernetesサービストポロジー機能にも対応した。Kubernetes 1.17でアルファ導入されたもので、ノードのトポロジーをベースにトラフィックのルーティングができるようにするもの。これをサポートすることで、ルーティングの設定が柔軟に行えるようになるという。

 このほか、独自でPrometheusクラスタをしたいユーザー向けのbring-your-own-Prometheusオプションの導入なども加わっている。

Linkerd
https://linkerd.io