UNIX系OS向けのテキストベース・メールクライアント「Mutt 2.0」が公開

 UNIX系OS向け電子メールクライアント「Mutt」の開発チームは11月7日、最新のメジャーリリースとなる「Mutt 2.0」を公開した。

 MuttはUNIX向けのテキストベースのメールクライアント。今年25周年を迎えるプロジェクトで、MIME、PGP/MIME、POP3、IMAPなどをサポートし、mbox、MMDF、MH、maildirなど複数のメールボックスフォーマットを利用できる。スレッド、DSN(Delivery Status Notification)のサポート、カスタマイズなどの特徴を備える。

 Mutt 2.0は、1999年に公開されたバージョン1.0に続くメジャーリリースとなる。なお、2.0というバージョン番号を付けた理由について、新機能の規模というより後方互換性のない変更が加わっているためと開発チームは説明している。

 後方互換性のない変更として、attach-fileを使ったファイル添付で、ファイルのタグ付の後にenterに変わってquitを使って終了できるようになった。環境変数などでも、後方互換性のない変更が加わっている。

 作業ディレクトリを変更できるcdコマンドが加わった。IMAPの自動再接続もサポートした。計画されていない切断の際に、保存されていない変更を保持したまま再接続を試みるという。

 xoauth2のサポートが加わった(IMAP、SMTP、POP)。contribディレクトリでPython 3をサポートしたリフレッシュトークンスクリプトも使用できる。ヘッダ保護も強化し、日付(Date)、差出人(From)、宛先(To)、CC、返信先(Reply-To)を保存できるようになった。実験的機能として、設定ファイルを強化できるLispライクな言語MuttLispを導入した。コマンドやコマンド引数についてよりダイナミックな意思決定が可能になるとしているが、まだ成熟していないと警告している。

 このほかにも、バグの修正や細かな機能強化が加わっている。

Mutt
http://www.mutt.org