Red Hat、「RHEL 8.3」を発表

 Red Hat(米IBM傘下)は10月29日(米国時間)、Linuxディストリビューションの最新版となる「Red Hat Enterprise Linux 8.3」を発表した。数週間内にGA(一般公開)として配布する予定だ。

 Red Hat Enterprise Linux(RHEL)8.3は、2019年5月に初版が登場した8系の3回目のポイントリリースとなる。RHEL 8.2は4月末に公開されている。Linuxカーネルは4.18を土台とした。

 運用管理では、OS固有の設定を簡単にする「Red Hat System Roles」を拡張し、カーネル設定、ログ設定、SAP HANA、SAP NetWaverなどが加わった。よくある複雑な設定を一貫性のある形で行うことができるという。

 設定ではまた、アーキテクチャ認識型の事前設定済みチューニングプロファイルである「Tuned」も強化した。複数のアーキテクチャ上で性能を最大化できるとしている。「Red Hat Insights」もサポートするシステムでデフォルトで利用できる。

 クラウド関連では、BuildahとSkopeoのコンテナイメージが新しくなった。コンテナ管理ツールの最新版「Podman 2.0」も加わっている。新しいREST APIを使って、これまではDocker Container Engineに依存していたコンテナのコードとツールを保持できるという。

 また、8系で導入した「Application Streams」を強化した。Application StreamsはOSの土台コンポーネントと開発者フレームワーク、データベース、コンテナツールなどを分離するもので、新たにNode.js 14、Ruby 2.7、Nginx 1.18などをサポートした。

 セキュリティ関連でも、System RolesでID管理設定、Network-Bound Disk Encryption(NBDE)のサポートなどが加わった。SCAP(Security Content Automation Protocol)のプロファイルとしてCenter for Internet Security(CIS)ベンチマークと米国の医療業界のセキュリティ標準HIPPA(Health Insurance Portability and Accountability Act)のサポートが加わった。

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