Pythonより20%高速、「Pyston 2.0」が登場

 Python実装のPyston開発チームは10月28日、メジャーリリースとなる「Pyston 2.0」を発表した。

 PystonはCPythonのフォークで、LLVMおよびLLVMのJIT(Just In Time)実行エンジンを使用して構築されたPython実装。米Dropboxのプロジェクトとしてスタートしたが、2017年にDropboxがプロジェクトの支援を打ち切った。2020年はじめに一部の開発者が集まり、Pyston開発をフルタイムで行う企業を立ち上げたと報告している。

 Pyston 2.0は2017年1月に公開されたバージョン0.6.1に続くリリース。CPythonと同レベルのC APIのサポートを実現しているという。

 コード生成エンジンDynamic Assemble(DynASM)を使うことで、オーバーヘッドの低いJITを実現した。CPythonの最適化も図った。これら強化の結果、内部のマクロベンチマークではPython 3.8より20%高速になっているという。これまではWeb向けのワークロードにフォーカスして速度を改善してきたが、バージョン2以降はそれ以外のワークロードとベンチマークでも高速化を図っていくとしている。

 Pyston 2はUbuntu 18.04/20.04(amd64)向けをプロジェクトのWebサイトより入手できる。なお、Pyston 2は現時点ではクローズドソースで、バージョン1.0タグの下で古いコードを公開している。

Pyston
https://github.com/pyston/pyston