OpenStack Foundationが名称変更し、「Open Infrastructure Foundation(OIF)」へ
オープンソースのクラウド基盤「OpenStack」の開発母体であるThe OpenStack Foundationは10月19日(米国時間)、名称を「Open Infrastructure Foundation(OIF)」に変更することを発表した。
Open Infrastructure Foundation(OIF)への名称変更は、OpenStack Foundationがバーチャル開催した「Open Infrastructure Summit」で発表した。
OpenStack Foundationは2010年、米航空宇宙局(NASA)と米Rackspace Hosting(その後、投資会社Apollo Global Managementの傘下のRackspace Technologiesなっている)が開始したクラウド基盤技術をオープンソースプロジェクトとしたのがきっかけで、2012年に開発母体となる非営利団体The OpenStack Foundationが立ち上がった。
その後、OpenStackだけではなく、「Airship」「Zuul」「Kata Containers」などプロジェクトが増えており、今回の名称変更に至った。
Open Infrastructure Foundationでは、「運用環境のインフラソフトウェアを作成するオープンソースコミュニティ」を目指し、OpenStackをはじめとした既存のプロジェクトを運用する。「200億ドル市場とされるオープンなインフラに向けてオープンソースを次の世代に進化させるためにミッション、スコープ、コミュニティを拡大する」と記している。
現在OpenStackのプラチナメンバーは、Rackspaceのほか、米AT&T、Red Hat(米IBM傘下)、ドイツSUSE、スウェーデンEricsson、米Intel、中国Huawei Technologies、中国TencentのTencent Cloudが名を連ねている。OIFとなった後、8社全てがそのままプラチナメンバーとして残るかどうかは発表されていない。一方で、Alipayを運用する世界最大の決済企業である中国Ant Group、通信機器の中国FiberHome、組み込み向けWind Riverが新たにOIFのプラチナメンバーに参加することが発表されている。
OIFによると、合計60以上の企業が支持を表明しているとのこと。OpenStackのコミュニティメンバーは187カ国10万人以上としている。
名称変更に合わせて、新しいプロジェクトとして「Magma」を発表した。Facebookが開発したモバイルコアネットワークソリューションで、5Gを含む3GPP標準やWiFiをサポート、サービス事業者はベンダーロックインなしに拡張性や柔軟性のあるキャリア級のコアネットワークを得られるとしている。
OIFは2021年1月より正式に活動を始める予定だ。
Open Infrastructure Foundation(OIF)
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