Mozilla再編が各プロジェクトに与える影響は? 音声変換エンジンDeepSpeechは存続のリスクか?

 Mozillaが250人規模の人員解雇を含む再編計画を発表して以来、Mozillaが抱えるプロジェクトへの影響が見え始めている。1月に完全子会社になったThunderbirdは影響なしと報告、一方で音声テキスト変換の「DeepResearch」プロジェクトは「将来はまだわからない」と記している。

 Mozillaの再編はMozillaのCEOでMozilla Foundationの会長も兼務するMitchell Baker氏により8月11日に発表された。予定している250人という人数は、同組織の約25%に相当する。

 メールクライアント「Thunderbird」チームはBaker氏が公式ブログで再編を発表したのと同じ8月11日、公式Twitterアカウントで、「Thunderbirdはこの人員解雇の影響は受けない。2020年初めに我々は自分たちの組織を立ち上げ、自分たちの資金(ユーザーの寄付金)で運営している」とツイートし、プロジェクトがこれまで通り継続していることを強調した。

 Thunderbirdはまた、プライバシーツールの追加、操作とナビゲーションを容易にすること、カレンダー/タスク/メールの連携強化などを通じて製品を強化していくことも明らかにしている。

 一方で、Mozillaがリサーチプロジェクトとして進めてきた音声テキスト変換エンジン「DeepSpeech」のメンバーは8月22日、「残念ながら、現時点で確実な回答はない」と記し、先行き不透明な状態であることを認めた。

 DeepSpeechのReuben Morais氏はブログで、再編後のMozilla下でDeepSpeechプロジェクトが存続するかどうかはまだわからず、プロジェクト移管にあたってどのような変化があるのかもわからないとした。

 DeepSpeechは4月にバージョン0.7を公開、現在正式版(バージョン1.0)に向けて作業を進めており、1.0リリースに合わせてMozillaにおける音声技術面での将来の計画も発表する予定だったという。技術面での変更は既に進んでおり、間もなく1.0を出荷したいとしている。

 プログラミング言語「Rust」は8月18日、Rustのための非営利団体を年内に立ち上げる計画を明らかにしている。

Thunderbird
https://www.thunderbird.net/
DeepSpeech
https://github.com/mozilla/STT
Rust
https://www.rust-lang.org/