「Tails 4.8」公開、Unsafe Browserがデフォルトで無効に

 プライバシー保護を特徴とするLinuxディストリビューション「Tails」の開発チームは6月30日、最新版となる「Tails 4.8」を公開した。「Unsafe Browser」がデフォルトで無効になるなどの変更が加わっている。

 Tailsはプライバシーと安全性を重視した移植性の高いOS。Debian GNU/Linuxをベースとし、Torネットワークを利用することでオンラインでのプライバシー保護を図る。USBメモリにインストールしてマシンに挿入して利用できる。

 Tails 4.8は2019年10月に公開された4系の最新版で、6月に公開されたバージョン4.7に続くリリースとなる。Linuxはカーネル5.6.0をベースとする。

 「Unsafe Browser」がデフォルトで無効となった。その理由として、Unsafe BrowserはTorを使っておらず、訪問したWebサイトがIPアドレスを取得できるなど匿名ではないこと、非匿名化できることなどを挙げている。

 またストレージ「Persistent Storage」を強化し、起動画面での設定を保存できるようになった。この機能は現在ベータ段階で、Unsafe Browserを有効にする設定のみを永続にできる。言語、キーボードなどの設定については、次期版(Tails 4.9)でサポート予定という。

 パッケージもアップデートし、TOR Browserはバージョン9.5.1に、Thunderbirdはバージョン68.9.0となった。 この他、一時停止状態の時にUSBメモリを取り外し、その後リジューム時に自動的にシャットダウンする際の不具合が修正された。バイナリフォーマットでのOpenPGP公開鍵インポート時に生じる不具合なども修正されている。

Tails
https://tails.boum.org/index.en.html