Mozillaが「Firefox 78」公開、最新のESR版

 Mozillaは6月30日、オープンソースのWebブラウザ最新版「Firefox 78.0」を公開した。法人向けの延長サポート版Extended Support Release(ESR)の最新版でもあり、トラッキング防止やWebRTCなどで強化が加わっている。

 Firefox 78は6月初めに公開されたバージョン77に続く最新版となる。

 Protections Dashboardでトラッキング防止、データ漏洩、パスワード管理についてのレポート機能を強化した。ダッシュボードから解決したデータ漏洩件数の追跡、保存されているパスワードがデータ漏洩しているかどうかなどを把握できる。このダッシュボードには、アドレスバーにabout:protectionsと入力するか、メインメニューからProtections Dashboardを選択することでアクセスできる。

 再インストールで問題解決しようとするユーザーに、再インストールの代わりにリフレッシュを促す目的で、アンインストーラーにリフレッシュボタンが加わった。

 バージョン67で有効になったGPUベースの2Dレンダリングエンジン「WebRender」をさらに拡大し、Intel GPU搭載のマシンで動くWindows版でも利用できるようになった。

 ブラウザで音声や動画通話などのリアルタイム通信ができるWebRTCでは、スクリーンセーバーによるWebRTCの遮断がなくなった。Pocketのレコメンデーションも強化した。

 セキュリティではDHEベースのTLS暗号スイートがデフォルトですべて無効となった。また、TLS 1.0/1.1も無効となった。

 開発者向けではSpiderMonkeyに新たにRegExp(正規表現)エンジンを導入した。また、DevTools、デバッガなども強化した。

 Firefox 78は、macOS 10.9/10.10/10.11をサポートする最後のメジャーリリースとなった。Linuxでは最小のシステム要件が変更となりGNU libc 2.17、libstdc++ 4.8.1、GTK+ 3.14以上となった。

 なおFirefox 78は最新のExtended Support Release(ESR)でもある。ESRはセキュリティ修正を長期継続する法人向けのエディションで、Firefox 78ESRは2019年8月公開のFirefox 68ESRに続くものとなる。サポート期間は2021年7月まで。

 ESRとしては、キオスクモード、クライアント認証、Service WorkerとPush APIの有効化などが新しい機能となる。

 Mozillaは同日、Android向けのバージョン68.10.0も公開している。こちらはセキュリティ修正が中心となる。

Firefox https://www.mozilla.org/ja/firefox/new/