オープンソースの分散型台帳技術「Hyperledger Fabric 2.0」リリース

 Linux FoundationのHyperledgerプロジェクトは1月30日、オープンソースの分散型台帳プラットフォーム「Hyperledger Fabric 2.0」のリリースを発表した。

 HyperledgerはLinux Foundationが2015年にスタートしたもので、Hyperledger Fabricのほか、JavaベースのEthereumクライアント「Hyperledger BESU」など複数のプロジェクトを持つ。

 Hyperledger Fabricはオープンソースのエンタープライズ向け分散レッジャー(台帳)プラットフォームで、許可型、モジュラーアーキテクチャなどの特徴を持つ。金融、サプライチェーンなどで分散型レッジャー技術(DLT)の利用が増えていることを受け、データベース、ネットワーキング、分散型コンセンサス、暗号化技術者などの高度な技術を加えることで実用的なDLTフレームワークを目指している。Amazon Web Services、Alibaba、Google、IBM、SAPなどのクラウドサービスで採用されている。

 Hyperledger Fabric 2.0は、2017年7月に公開したHyperledger Fabric 1.0に続くメジャーリリースとなる。

 チェーンコードのライフサイクル管理が新しくなった。スマートコントラクト向けの分散型のガバナンスを導入し、ピア上にチェーンコードをインストールするプロセスも新しくなった。企業は、事前にチェーンコードのエンドースメント・ポリシーなどチェーンコードのパラメーターで合意することができるという。この新しいチェーンコードライフサイクル管理の分散手法は、コラボレーションやコンセンサスでも利用できるとしている。

 外部のチェーンコードラウンチャも加わった。自社の技術を使ってチェーンコードの構築とローンチができるようになり、ピアにDockerデーモンへのアクセスを与える必要がなくなるという。

 バージョン1.4.1で導入したOrderingサービス実装向けRaft分散コンセンサス技術が、2.0では推奨コンセンサスサービスとなった。外部のKafkaクラスタを使う必要がなくなり、複数の組織が提供する分散型のガバナンスモデルをとることができるという。

 データ保護では、組織専用のプライベートデータコレクション機能が加わった。チャネルで他の組織と必要最小限のデータ共有がプライベートでできるという。

 性能も強化し、新しいキャッシュ技術の導入により、CouchDBをステートデータベースに使用時の性能が過善するという。

Hyperledger Fabric
https://www.hyperledger.org/