RHEL 8互換の「Oracle Linux 8」リリース

 米Oracleは7月18日、Linuxディストリビューション「Oracle Linux 8」を公開した。

 Oracle LinuxはRed Hatの「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」との互換性を目指すLinuxディストリビューション。RHELクローンと呼ばれるディストリビューションはOracle Linuxのほかに、CentOS、Scientific Linuxなどがある。

 Oracle Linux 8は、Red Hatが5月に公開したRed Hat Enterprise Linux 8を土台にしており、RHEL 8の機能強化に加えて独自の機能も備える。

 コアの運用環境と関連パッケージは「BaseOS」および「Applications Streams」と呼ばれる形で配布される。BaseOSでは標準的なパッケージを提供し、Application Streamsでは「Software Collections」経由で配布されていたアプリケーションに加え、ユーザー空間で動かすことができるそのほかの製品やプログラムを提供する。

 システム管理では、DNF技術を土台とした「Dandified yum」をyumパッケージマネージャのリプレースとして導入した。これを利用してインストールやアップデートなどができる。GNU/Linuxサーバー向けの軽量のリモートマネージャCockpitを利用して、WebブラウザよりライブのLinuxセッションのサーバー管理ができるという。RPM側では、RPM 4.14を採用した。

 コンテナと仮想化、ファイルシステムとストレージ、ID管理、ネットワーク、セキュリティなどでも新機能や既存機能の強化が加わっている。コンテナではOpen Container Initiative(OCI)互換のpodman、buildah、skopeoなどのツールが加わり、Dockerなどのコンテナエンジンが生成したLinuxコンテナを管理できるという。セキュリティではOpenSSHが7.8p1にアップデートされ、TLS 1.3がデフォルトで有効化された。また、ボリューム暗号化のデフォルトフォーマットとしてLUKS2(Linux Unified Key Setup)を採用するなど、多数の強化が図られている。

 Oracle Linux 8はx86_64(IntelとAM)とaarch64(ARM)向けを同社のWebサイトより入手できる。

Oracle Linux
https://www.oracle.com/linux/