10年ぶりのメジャーリリースとなる「bash-5.0」リリース

 GNU ProjectのBash開発チームは1月7日、最新のメジャーリリース版ととなる「bash-5.0」を公開した。

 bashはBourne Again SHellの略。POSIXシェル仕様を完全に実装し、同時に対話型のコマンドライン編集などの追加機能も備える。多くのLinuxディストリビューションやmacOSで標準のシェルとして採用されており、Windows 10でもWindows Subsystem for Linuxで利用できる。

 bash-5.0は、2009年にリリースされた「bash-4.0」以来のメジャーリリースとなる。

 新しいシェル変数として、BASH_ARGV0、EPOCHSECONDS、EPOCHREALTIMEを導入した。BASH_ARGV0は$0と類似したもので、シェルとシェルスクリプトの名称を拡大するという。

 履歴ビルトインで、履歴のエントリの範囲を削除できるようになるなどの改善が加わった。読み込み可能なビルトインとして、rm、stat、fdflagsが加わった。waitビルトインでは、特定のジョブやプロセスが終了するまで待機する「-f」オプションが加わった。

 ローカル変数で、直前のものと同じ名称で変数の値を継承できるオプションが加わった。また、パターンマッチング表現の文字の範囲を変更するglobasciirangesオプションがデフォルトで有効となった。

 このほか、名前参照のnameref変数の解決方法の大幅な変更など、バージョン4.4からのバグも多数修正した。

 なお、開発チームはバージョン5.0では4.4と後方互換性のない変更が加わっている点に留意している。

GNU Bash
https://www.gnu.org/software/bash/