Python考案者のGuido van Rossum氏がPythonに関する意思決定から引退することを表明

 Pythonの生みの親であるGuido van Rossum氏は7月12日、メーリングリストで「BDFL(Benevolent Dictator For Life、優しい終身の独裁者)」から永遠に引退することを発表した。

 van Rossum氏はオランダ出身のプログラマーで、1989年にPythonを考案した。その後BDFLとしてPython開発を率いてきた。プログラミング言語の人気度指標Tiobe IndexにおいてPythonはJava、C、C++に続く4番目の人気となっている(2018年7月時点)。

 引退発表は同日のPEP(Python Emhancement Proposal) 572の作業終了を受けてのもので、件名は「権力の移譲」。van Rossum氏は、「PEPのために激しく戦い、たくさんの人から自分の意思決定を嫌がられるのを望まない」と記している。それ以上の理由には触れていないが、「どちらにしろ起こることだ(中略)若くなることはないのだから」と記している(健康上に問題を抱えていることも示唆している)。今後、氏はPythonに関する意思決定プロセスから完全に身を引くという。

 いっぽう、当面の間は通常のコア開発に携わり、メンタリングも今以上に行うことができるだろうとも述べている。

 後継者の指名はしないとしているが、自身の引退で心配されることとして、PEPの意思決定、新しいコア開発の任命の2つを挙げている。解決方法として、PEPとしてプロセスを書き出してはどうかとしながら、現在のコミッターに委ねるとしている。一方で、イシュートラッカーやGitHub上での日常の意思決定については心配ないだろうと記している。

 最後にvan Rossum氏は、「私はまだいるが、自分たちで方法を見出すようにしたい。疲れた。長い休みが必要だ」と綴っている。