Linuxパーティショニングハイパーバイザー「Jailhouse 0.9」公開

 パーティショニングハイパーバイザー「Jailhouse」開発チームは6月4日、最新版「Jailhouse 0.9」を公開した。新しいターゲットのサポートに加え、多数の機能が強化されている。

 JailhouseはSiemensによって進められているオープンソースプロジェクトで、Linuxベースのパーティショニングハイパーバイザー。Linuxに加え、ベアメタルアプリケーションまたはOSを動かすことを目的に、CPUとデバイス仮想化機能を設定して「セル」と呼ばれる仮想マシンが干渉しないようにする。ほかのLinuxベースのハイパーバイザーKVMやXenとの違いとして、多機能ではない点をあげている。CPU、RAM、デバイスなどのリソースをサポートせず、スケジューリングも行わない。

 Jailhouse 0.9は、2017年12月に公開されたバージョン0.8に続く最新版。全体としては、unitインフラの導入、Linuxローダーコマンドの強化が加わった。アーキテクチャ単位でのconfig/folder、セルで動作するdemo inmateのコマンドラインセクションが0x1000に統一された。

 ARM/ARM 64では、キャッシュを有効にしてdemo inmateをMMUで走らせることができるようになった。 ARM64 Linuxローダー向けに圧縮イメージのサポートが加わった。

 x86では、MMIO(Memory-mapped I/O)関連で様々な強化が加わった。MMIO命令エミュレーターを強化し、ユニットテストも導入した。安全性強化のため、AMD SVN命令を全て傍受するようになった。

 新しいハードウェアとして、NVIDIA Jetson TX2、NXP MCIMX8M-EVK、Emtrion emCON-RZ/G1Hなどをサポートした。

Jailhouse
https://github.com/siemens/jailhouse