AIモデルの相互運用性プロジェクト「ONNX 1.0」

 米Facebookらが共同で立ち上げたAIフレームワークの互換性のためのプロジェクト「Open Neural Network Exchange(ONNX)」が12月9日、成果物となる人工知能モデル向けのフォーマット「ONNX 1.0」を発表した。

 Open Neural Network Exchange(ONNX)はFacebook、Amazon Web Services、Microsoftらが共同で立ち上げたAIモデル向けのオープンソースのフォーマット。フレームワークの相互運用性を目指すもので、拡張性のあるコンピューティングのグラフモデルを定義する。これに加えて、ビルトインの演算子や標準的なデータタイプの定義なども含んでいる。これによって、あるフレームワークでトレーニングしたモデルを別のフレームワークで推論に用いるなどのことが可能となり、AI開発者はこれを利用して、プロジェクトの進化に合わせて正しいツールを使い分けることができるとしている。

 プロジェクトの立ち上げ後、AMD、ARM、Huawei Technologies、IBM、Intel、Nvidia、Qualcommなどが支援を表明しており、多数のコミュニティから貢献があったという。

 現時点でサポートするフレームワークとランタイムは、Caffe2、Microsoft Cognitive Toolkit、Apache MXNet、PyTorch、NVIDIA TensorRTなど。Googleは現時点で不参加だが、プロジェクトにはGoogleのTensorFlow向けの変換ツールも寄贈されているとのことだ。

 9月に早期リリースを公開したのち、10月にはバージョン0.2をリリースした。あわせてオペレーターを強化し、ドキュメンテーションなども整えた。

 ONNX 1.0はプロジェクトのWebサイトより入手できる。ライセンスはMIT License。

Open Neural Network Exchange(ONNX)
https://onnx.ai/