米Facebook、批判を受けて「React」のライセンスから特許条項を削除へ
米Facebookは9月22日、「React」など4種類のオープンソースプロジェクトのライセンスを変更し、MIT Licenseの下で再ライセンスする計画を発表した。オープンソースコミュニティの批判に応じた形となり、「技術以外の理由によりプロジェクトの進行が滞るのを避けたい」としている。
Facebookは複数の技術をオープンソースで公開しており、多くは標準のBSDライセンスに特許紛争についての条文を加えたものを採用している。これに対して非営利団体Apache Software Foundation(ASF)は7月、Facebookのライセンスを使用禁止リストの「Category X」に分類した。
これを受け、JavaScriptライブラリ「React.js」のユーザーコミュニティなどがFacebookに対しライセンス変更を求めたが、Facebookは当時、ライセンス変更による法務コスト増などを理由に応じない姿勢を見せていた。
今回変更対象となったのはReactおよびReactを土台とするJavaScriptテストの「Jest」、JavaScriptの静的型付けチェッカー「Flow」、イミュータブルのコレクション「Immutable.js」の4プロジェクト。変更後のライセンスはMIT Licenseで、来週より修正されるとしている。ほかのプロジェクトについては評価中であり、当分BSDと特許ライセンスを継続するという。
Facebookはライセンス変更の理由について、「コミュニティを説得させることができなかった」と記している。合わせて、「ライセンスについての不確実さにより、たくさんのチームがReactの代替を選択した」「技術以外の理由によりプロジェクトの進行が滞るのを避けたい」とも述べている。
Reactにおいては、次期版となる「React 16」公開にあわせてライセンスが変更される予定となっている。