「Firefox 49」リリース、WebRTCベースのFirefox Helloが廃止

 Mozillaは9月20日、WebブラウザFirefoxの最新版「Firefox 49」を公開した。リーダービューの改善など機能が強化された一方で、WebRTCベースの「Firefox Hello」が廃止となった。モバイル版(Android)ではオフライン機能が加わった。

 Firefox 49は、8月初めに公開されたFirefox 48に続く最新版。9月中旬のリリース予定だったが、2件のバグにより1週間延期しての公開となった。

 リーダービューを改善し、幅と行の高さを調整した。テキスト、フォントの調整に加えて、テーマの明るさも調整できる。また、Webブラウザから直接ビデオ・音声通話やチャットができるWebRTCベースのコミュニケーションサービスFirefox Helloが廃止となった。Mozillaは2014年12月にリリースした「Firefox 34」で導入された機能だが、旧バージョンを含めてサポートが打ち切られる。Mozillaでは代替としてWebRTCベースの動画、画面共有サービス「Talky」、グループ動画通話サービス「Appear.in」などの外部サービスを推奨している。なお、WebRTC自体の開発については今後も継続して参加するとしている。

 フォントシステムのGraphite 2が標準で有効となった。また、システム側にハードウェアアクセラレーションがない場合でも、SSSE3命令セットのサポートがあれば動画の性能が向上するようになった。なお、Windows版ではSSE2命令セットをサポートしたCPUが必須となっている。

 HTTP5では音声と動画関連の強化が図られたほか、イメージマスクとしてSVGのmask要素を複数利用できるようになった。また、Webスピーチ音声合成APIも利用できるようになっている。

 Mac OS Xでは文字のアンチエイリアス表示を改善した。一方、Mac OS X 10.6/10.7/10.8のサポートは終了となった。

 Android版では、過去にアクセスした一部のページをオフラインでも表示できるオフラインページビュー機能が加わった。またログインマネージャーが新しくなり、保存しているHTTPログイン情報をHTTPSページで利用できるようになった。

 このほか、タブの表示や振る舞いが変更され、メディアコントロールの強化により複数のタブで同時に音が鳴らないよう修正されている。

 FirefoxのソースコードおよびWindowsおよびMac OS X、Linux向けのバイナリはMozillaのWebサイトより入手できる。

Firefox
https://www.mozilla.org/ja/firefox/