「Docker 1.12」リリース、クラスタやネットワーク関連機能を強化

 米Dockerは7月28日、オープンソースのアプリケーションコンテナエンジン「Docker 1.12」を一般公開(GA)にしたと発表した。クラスタ構築/管理機能の「Swarmモード」が実装されたほか、多数の新機能が追加されている。

 Docker 1.12では、従来はDockerとは別に提供されていたDockerクラスタ構築ツール「Docker Swarm」の機能がDockerに統合された。これにより、dockerコマンドには「swarm」や「node」、「service」といったサブコマンドが追加されている。さらに、複数のコンテナを組み合わせたサービスのデプロイを行う「stack」および「deploy」コマンドや、プラグインの管理を行う「plugin」サブコマンドが実験的に追加されている。

 ネットワーク関連では、仮想IPアドレスを利用するロードバランシング機構が組み込まれたほか、今までは実験的というステータスだったMacVlanドライバが実用段階となった。また、「docker create」や「docker run」、「docker network connect」コマンドにリンクローカルアドレスを指定する「–link-local-ip」フラグが追加されている。

 Dockerfileではユーザー定義のサービスヘルスチェックを定義する「HEALTHCHECK」や、デフォルトシェルを指定する「SHELL」コマンドが新たに利用可能となった。また、「.dockerignore」ファイル中でコメントが利用できるようになった。

 なお、Docker 1.12のリリースに併せて、これまでベータ扱いだった「Docker for Mac」および「Docker for Windows」が正式版としてリリースされている。WindowsおよびMac OS X上で仮想化ソフトウェアを利用してDockerを使用するのを支援するツールで、インストーラを使ってDockerや関連ツールのインストールおよび設定を自動で行える。

 Docker for MacおよびDocker for Windowsは「stable」と「beta」の2つのチャネルで提供される。新機能とバグ修正はbetaチャネルの自動アップデートとして配信され、stableチャネルは更新頻度が低く、きちんと検証された運用環境向けの機能のみを加えるとのことだ。

Docker
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