米Docker、次期「Docker 1.12」の新機能をアナウンス
米Dockerは6月20日、最新のコンテナ技術「Docker Engine 1.12」を発表した。オーケストレーション機能などの新機能を導入するもので、現在リリース候補(RC)版。7月に一般公開(GA)をリリースする。
1.12では、シンプルだがパワフル、信頼性、安全性、運用のための機能と後方互換性の4つの基本コンセプトの下で開発を進めているという。
Docker 1.12ではコンテナオーケストレーションにフォーカスした。コンテナオーケストレーションは単一のホスト上にコンテナを実装するのではなく、複数台のマシン上に複雑なマルチコンテナアプリを実装するための技術。Dockerによると現在コンテナオーケストレーションを利用するには、複数の技術を組み合わせて複雑なアドホックシステムを構築するか、専門技術のある企業に任せて高価なハードウェア、サービス、サポート、ソフトウェアを購入するかの2つしか選択肢がないという。コンテナオーケストレーションは3年前のコンテナと同じ状態で、Dockerコンテナがシンプルで容易に利用できるようにしたのと同じことをコンテナオーケストレーションでも実現していくとしている。
1.12では、コアのDocker Engineにマルチホスト・マルチコンテナのオーケストレーションを容易にする技術を組み込む。Service、Nodeなどの新しいAPIオブジェクトを加え、これらAPIを利用することで、「Docker Swarm」を利用して構築されたコンテナクラスタ上でのコンテナ管理を自動化できるという。
これらを利用することで1000のノード、5万のコンテナを動かすことができるサーバークラスターを構築できるという。セキュリティでは、相互のTLS認証、暗号化通信などの機能があるとしている。
1.12ではまた、新しいファイルフォーマット「Distributed Application Bundle」を導入した(experimentalビルドのみ)。宣言型のサービスセットの仕様となり、イメージのリビジョン、ネットワークをそれぞれ特定でき、これらサービスのコンテナをどのようにネットワーク化して動かすのかを記述できるという。
このほか、gRPCを使ったノード間通信が可能になった。これにより多重接続やヘッダ圧縮などのHTTP/2のメリットを享受できるという。
Dockerはまた、3月にプライベートベータとしてローンチしたDocker for MacとDocker for Windowsについても、パブリックベータとなったことを発表している。
米Docker
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