「Perl 6」、ついにリリース
オブジェクト指向プログラミング言語Perlの創始者Larry Wall氏は12月25日、Perlの最新版となる「Perl 6」を公開した。Perl 5から15年を経ての最新版リリースで、「新しい言語」という位置付けとなる。
PerlはWebアプリケーションやシステム管理などで多く利用されているプログラミング言語。最初のバージョンであるバージョン1.0が公開されたのは1987年となる。前回のメジャーアップグレードであるPerl 5がリリースされたのは1994年、5系の最新版は2015年6月に公開されたPerl 5.22となる。
Perl 6は2000年に開発がスタート、15年の開発期間を経ての公開となった。その間、アルファとして「Advent」、ベータとして「Birthday」バージョンを公開している。Wall氏は2015年10月に「クリスマスにPerl 6をリリースする」ことを明らかにしており、その計画に沿ったものとなる。Perl 6は新しい言語という位置付けで、Perl 5との互換性は約束されていないことから「Perlファミリーの姉妹言語」とも形容されている。
Perl 6は実用的、自然言語的などのPerlの哲学を継承し、汎用性、役割などの特徴を持つオブジェクト指向プログラミング言語となる。言語仕様が新しくなり、「Rakudo」という処理系を採用する。並列、並行、非同期、マルチコアサポートなどの機能を持ち、パターンマッチング、汎用的な文字列処理のための文法を備えることを目指す。
また、動的型付けに加えオプションで静的型付けもサポートされ、仮引数定義もサポートする。パラメーター、ガベージコレクション、イントロスペクションの改善なども特徴となる。
なお、Perl 5についてはサポート終了などの予定は明らかにされていない。
Perl 6
http://www.perl6.org/