「PHP 7」、ついにリリース

 PHP開発チームは12月3日、「PHP 7.0.0」を公開した。10年近くの開発期間を経てのメジャーリリースとなり、実行速度が大幅に改善されたほか、抽象構文木の導入など多くの新機能も盛り込まれている。

 2004年に公開されたPHP 5以来のメジャーアップデートとなる。PHP 6については長期に渡って開発が行われていたもののその開発が途中で中止され、その機能の一部が5系(5.4)に実装されるという形になった。そのためバージョン6はスキップされ、今回のPHP 7リリースとなった。なお、当初は11月中にリリース予定だったが、OpenSSL 1.0.2eとの互換性の確認などの作業のためにリリースが遅れ、リリース候補(RC)リリースを8回経ての正式版公開となった。

 PHP 7の最大の特徴は実行速度だという。PHPNG(NextGen)と呼ばれる実行エンジンを搭載、PHP 5.6と比較して2倍高速になり、メモリ使用量も50%改善したという。

 また、抽象構文木が導入され、静的なコード解析などが可能となった。一貫性のある64ビットのサポート、例外階層の強化なども施され、致命的なエラーが例外として処理されるようになった。サポートされていないServer API(SAPI)と拡張機能が削除され、ereg関数などの非推奨機能も削除されている。

 さらに無名クラスの導入やスカラ型宣言、戻り値の型宣言が可能となるなど文法面でも多くの強化が行われている。??Null合体演算子、<=>スペースシップ演算子などが加わり、配列なども改善されている。

 なお、PHPベンダーのZend(Rogue Wave Software)はPHP 7に対応した「Zend Server PHP 7」の技術プレビューを提供している。

PHP
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