セキュリティを強化、「Kafka Connect」を導入した「Apache Kafka 0.9」リリース

 Apache Kafkaチームは11月24日、分散メッセージングシステム「Apache Kafka 0.9.0」を公開した。安全性の強化、外部との接続のための「Kafka Connect」の導入、ユーザー定義クォータなどが特徴となる。

 Apache KafkaはScalaで作成されたオープンソースのメッセージブローカーシステム。数千単位のクライアントから毎秒数百MBの読み込みと書き出しが可能という高速度、拡張性、メッセージの永続性などの特徴を持つ。リアルタイムでのデータフィードを処理する高スループット、低遅延のプラットフォームとして利用できる。米LinkedInで開発され、2011年にApache Software Foundationに寄贈、2012年にトップレベルプロジェクトとなった。

 Kafka 0.9は2013年12月に公開したバージョン0.8に続く最新版。セキュリティを3つの面で強化した。まず、KerberosまたはTLSクライアント認証を利用した認証により、誰がリクエストをしているのかを把握できるようになった。また、UNIXライクな権限システムが導入され、誰がどのデータにアクセスできるのかを制御できるようになった。書き込み時の暗号化もサポートされた。ただし暗号化はオプション提供となり、性能のために暗号化はデフォルトではオフとなっている。

 また、外部との接続を容易にするための「Kafka Connect」(開発コード「Copycat」)が導入された。大規模かつリアルタイムでのデータのインポートとエクスポートに利用できる。本バージョンではKafka Connect APIを利用でき、今後オープンソースのコネクタ・エコシステムの拡大に期待を寄せているという。

 このほか、ユーザー定義のクォータのサポートにより、クラスタでクライアントID単位でクォータを強制できるようになった。Javaのコンシューマー(Consumer)クライアントにもベータ対応した。ハイレベルのZooKeeperベースのコンシューマーとローレベルのSimpleComsumer APIの差異を取り払い、統一されたコンシューマーAPIを提供するという。

 Apache Kafka 0.9はプロジェクトのWebサイトより入手できる。なお0.9よりJava 6とScala 2.9はサポート対象外となっている。

Apache Kafka
http://kafka.apache.org/