NASAが1960年代から開発されている画像処理技術「VICAR」を公開
米航空宇宙局(NASA)が汎用画像処理ソフトウェアシステム「Video Image Communication And Retrieval(VICAR)」のコア部分をオープンソースとして公開した。1996年から開発されてきたもので、多次元のイメージデータをデジタル処理できるという。
Video Image Communication And Retrieval(VICAR)は主にNASA・Jet Propulsion Laboratory(JPL、ジェット推進研究所)の無人探索機が取得した画像をデジタル処理することを目的に、1966年に開発がスタートした画像処理システム。現在ではこれ以外の地質探索などの目的でも利用されており、JPL以外にも大学、NASAの他の機関、米国と欧州の科学研究機関などが利用しているという。
今回VICAR Coreとして、350近くのアプリケーションプログラム、コマンドラインパーシング(シェル)とオプション環境を公開した。また、VICARフォーマットの画像I/0ライブラリ(C/C++/FortranとJavaの2バージョン)、ファイルフォーマットを変換するトランスコーダー、xvd画像表示プログラム、表形式データ向けのIBIS(Image-Based Information System)なども含まれる。VICARは独自のファイルフォーマットを持ち、トランスコーダーはVICAR、PDS、ISIS、FITSなどをサポートする。IBISは包括的な地理情報システムで、ラスター画像、表形式、グラフィックフォーマットのデータを取り扱うことができる。
VICARはGitHubのページより入手できる。ライセンスはNASAの規定するNASA OPEN SOURCE AGREEMENT 1.3。