「Couchbase Server 4.0」リリース、新たにSQL系のクエリ言語が利用可能に

 米Couchbaseは10月6日、ドキュメント指向データベース「Couchbase Server 4.0」をリリースした。クエリ言語「N1QL」、クエリ高速化のための「Global Secondary Indexing(GSI)」などを導入し、性能でも強化が加わっている。

 Couchbase Serverは分散型のNoSQLデータベースで、SQLの持つ機能とJSONデータ形式の柔軟性 を兼ね備えるもの。Webやモバイル、IoT(Internet of Things)など、さまざまな分野でのアプリケーション構築に利用できる。性能、拡張性、可用性などを特徴とし、ドキュメントデータベース、キー/バリューストア、分散キャッシュなどとして使用できる。

 Couchbase Server 4.0はCouchbase Serverの最新版となり、2014年10月に公開されたバージョン3.0からちょうど1年でのリリースとなった。本バージョンでの最大の特徴は、SQLを拡張する宣言的クエリ言語N1QLが導入されたことがある。JSONベースのデータモデルと共通のクエリ言語を提供するもので、SQLライクな言語構造でCouchbase Serverにアクセスできる。SELECT文、インデックスのCREATEとDROP、DML(Data Manipulation Language)、JOIN、入れ子/非入れ子、サブクエリなどの特徴を持ちクエリとモデルを分離することでクエリに柔軟性をもたらすという。

 開発関連ではこのほか、Simba TechnologiesのODBC/JDBCドライバーによりCouchbase Serverと各ベンダーのODBCアプリケーションのやりとりが可能となった。SAP Lumira、Tableau、Microsoft Excelなどのビジネスインテリジェンス(BI)の統合が可能になる。

 性能も強化されたほか、クエリの高速化と拡張性強化を図るGlobal Secondary Indexing(GSI)が導入された。また、3.0で実験導入したSpatial Indexは正式扱いになっている。異なるノード上でそれぞれサービスを動かすことでデータ、クエリ、ストレージといった個々のデータサービス向けのハードウェアの最適化と拡張を強化する多次元スケーリング(Multi-Dimensional Scaling)も導入され、アプリケーションの遅延とスループットを強化するという。高度なストレージエンジン「ForestDB」も加わった。

 レプリケーション側では、WANを利用した非同期のメモリ間レプリケーション向けストリーミングプロトコルCross Data Center Replication(XDCR)をGo言語で実装し直した。これにより性能を強化し、フィルタリング機能も加えた。

 このほかにも、Apache Spark、Apache Kafka、Apache Sqoopなどのビックデータ関連技術との連携を強化した。Dockerによる実装、Amazon Web Services、Windows Azureなどクラウドのサポートも拡大した。

 Couchbase Serverは無償のCommunity Editionと有償のEnterprise Editionがあり、Community EditionはCouchbaseのWebサイトより入手できる。

米Couchbase
http://www.couchbase.com/