10回目のリリースとなる「Eclipse Mars」が登場、Docker対応へ
The Eclipse Foundationは6月24日(カナダ時間)、オープンソースの統合開発環境(IDE)の最新版「Eclipse 4.5」(開発コード「Mars」)リリースを発表した。Dockerコンテナのサポートなどの新機能が導入されている。
2014年6月25日に公開された「Luna」ことEclipse 4.4に続くものとなる。IBMが開発しオープンソースとしたEclipseは、2004年に開発母体として非営利団体Eclipse Foundationとが設立され、以後開発チームは年1回のリリースを行っている。今年で10回目のリリースを迎えた。合計で79のオープンソースプロジェクトを含む。約380人のコミッターが参加し、6500万行のコードとなった。
Java開発関連では、新たに「Quick Fixes for Java 8」を導入したほか、「Project Explorer」でのプロジェクトの階層表示、パースペクティブのカスタマイズ機能、テキスト検索の高速化などが特徴となる。「Eclipse Marketplace」では次期Java 9のEarly Access版のサポートも公開しており、Eclipse IDEで早期版のJava9を利用できる。
機能テスト「Jubula」ではClient APIを公開、これを利用してJavaでテストケースの作成が可能になった。Java開発者はEclipseでテストケースの開発と保守を行い、Gitなどのコードレポジトリにテストケースを保存できるという。
目玉の1つとなるDocker対応については、「Linux Tools」プロジェクトでDockerコンテナおよびイメージの作成と管理が可能となった。
また、新プロジェクト「Buildship」によりJavaビルドツールのGradleに対応、EclipseからGradleビルドの設定や管理が可能となった。Mavenサポートも強化し、Mavenのアーキタイプ統合、POMエディタでの自動入力などをサポートした。Mavenはバージョン3.3.3にも対応すr。
同じく新プロジェクトとなる「Thym」では、Apache Cordovaを利用してクロスプラットフォームのモバイルアプリ開発のためのツールを提供する。
グラフィカルなモデリングワークベンチを作成できる「Sirius」はバージョン3.0となり、ダイアグラムの作成などの使い勝手を改善した。大規模なモデルの性能、クエリ言語なども強化されている。
Eclipse IDEのインストールを容易にする新プロジェクト「Oomph」が導入された。プロジェクト専用のEclipseワークスペースのプロビジョニングができ、さまざまなEclipseワークスペースでのユーザー設定の保存と共有も可能という。Marsではまたエラーレポート自動化機能も導入、エラー発生時、ユーザーに適切なEclipseプロジェクトチームへのエラー報告を促す画面が表示されるようになった。
The Eclipse Foundation
http://www.eclipse.org/