RHEL7互換のディストリビューション「Scientific Linux 7.0」リリース
Scientific Linux開発チームは10月13日、Red Hat Enterprise Linux(RHEL) 7と互換性を持つLinuxディストリビューション「Scientific Linux 7.0」を公開した。ほかのRHEL互換ディストリビューションからやや遅れる形となったが、フェルミ国立加速器研究所ではScientific Linuxの開発と支援を継続する意向を表明している。
Scientific Linuxは米Red HatのRHELと互換性のあるLinuxディストリビューション。Red Hatが公開するコードをベースに、メッセージングシステム「Alpine」や分散ファイルシステム「OpenAFS」などのソフトウェアが追加されている。フェルミ国立加速器研究所(Fermilab)や欧州原子核研究機構(CERN)といった研究機関や大学で進んでいた研究向けLinux開発の取り組みをまとめたもので、研究向けに安定した拡張性のあるOS開発を目標とし、CERNの大型ハドロン衝突型加速器プロジェクトなどで利用されている。プロジェクトはフェルミ研究所の支援を受けており、ライセンスはGPLを採用する。
6月に公開されたRHEL 7から4か月後のリリースとなった。同じくRHEL互換の「CentOS 7」や「Oracle Linux 7」はすでに7月に公開済み。
systemdの採用、Ext4からXFSの変更、スワップメモリ圧縮のzswapなどRHEL 7の特徴を備えた。これに加え、OpenAFSドライバやクライアントユーティリティなどが加わった。また、UEFI Secure Bootを利用した起動に対応すべく、SL Secure Bootキー認識のための変更がgrub2とカーネルに加わっている。対応アーキテクチャはRed Hat側の変更を受け、i386がなくなりx86_64のみとなっている。
Scientific LinuxはプロジェクトのWebサイトより入手できる。
Scientific Linux
https://www.scientificlinux.org/