Scientific Linux、RHEL 5.8互換の「Scientific Linux 5.8」リリース
Scientific Linux開発チームは4月24日、「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」互換のLinuxディストリビューション「Scientific Linux 5.8」を公開した。米Red HatによるRHEL 5.8のリリースから2か月遅れでの公開となる。
Scientific Linuxはフェルミ国立加速器研究所と欧州原子核研究機構(CERN)が中心となって開発するRHEL互換のLinuxディストリビューション。各研究所や大学で進んでいた取り組みを合体させ、共通のインストールベースを作成することによって効率化を図った。RHELとの完全互換を目標とし、そのうえでメールクライアント「Alpine」や「OpenAFS」などいくつかのパッケージも追加されている。
Scientific Linux 5.8は2月中旬に公開されたRHEL 5.8のクローンとなり、RHEL 5.8と同等の仮想化関連や電源管理分野の機能を提供する。追加機能としては、Alpine、OpenAFS 1.4.14、ファイルシステムAUFS、プログラミング言語Lua、インテルチップセット統合グラフィック用のビデオ設定変更ツール「915resolution」などがある。
Red Hatは6系の最新版として2011年12月にバージョン6.2を公開しており、RHEL 5.8は5系最後のバージョンとなる。RHEL互換のディストリビューションとしてはScientific LinuxのほかCentOS、Oracle Linuxがあり、CentOSとOracle LinuxはすでにRHEL 5.8互換のバージョンを公開している。
Scientific Linux 5.8はプロジェクトのWebサイトよりダウンロードできる。対応アーキテクチャはi386およびx86_64。
Scientific Linux
http://www.scientificlinux.org/