「Apache Cassandra 2.1」リリース、性能向上やクエリ言語の改良などが行われる

 Apache Software Foundation(ASF)は9月11日(米国時間)、オープンソースの分散型データベースシステム「Apache Cassandra 2.1」をリリースした。バージョン2.0と比べて性能が50%向上するなど、強化が行われている。

 Apache Cassandraはビックデータなど大容量のデータを扱うための分散型データベースシステム。リニアな拡張性やフォールトトレランス性を特徴とし、一般的なハードウェアやクラウドなどのインフラで動作する。複数のデータセンター間にまたがったデータでの複製、キャッシュ機能、非正規化のサポートといった特徴も備える。元々は米Facebookでスタートしたプロジェクトで、2009年にASFに寄贈された。Facebookのほか、米Adobe Systems、米IBM、米Netflix、ソニーなど多数の導入実績を持つ。

 Cassandra 2.1は2013年9月に公開されたバージョン2.0に続くリリースで、9月10日と11日に米サンフランシスコで開催した「Cassandra Summit 2014」に合わせて発表された。

 変更点としては、カウンターに対するインクリメント処理の簡素化がある。これにより安全性と速度を強化したという。また、SQLベースのクエリ言語のCassandra Query Language(CQL)3ではユーザー定義型が新たにサポートされたほか、コレクションのカラムに対しセカンダリインデックスを作成できるようになった。行単位でのキャッシュも強化され、ノード間の通信でLZ4圧縮を利用するようになった。データファイル圧縮ではカーディナリティ(値に対する種類数)の推測機能が導入されている。これらにより性能を改善するという。

 Apache Cassandra 2.1はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

Apache Cassandra
http://cassandra.apache.org/