オープンソースのPaaSフレームワーク「Apache Stratos 4.0」リリース
オープンソースのPaaSフレームワーク「Apache Stratos」の開発チームは6月20日、最新版となる「Apache Stratos 4.0」を公開した。Apache Tomcat、PHP、MySQLの運用を支援するもので、アプリケーションの開発、テスト、運用に必要なクラウド環境を構築できる。
Apache Stratosは拡張性の高さを特徴とするPlatform as a Service(PaaS)フレームワーク。主要なクラウドインフラ上でのApache TomcatやPHP、MySQLアプリケーションの運用をサポートする。IT管理者向けには自動リソース管理やモニタリングなどの機能を提供し、開発者向け機能としては、クラウドベースでのアプリケーション開発、テスト、運用環境を備える。元々はWS02が開発した技術を2013年にApache Software Foundationに寄贈した。2014年6月にトップレベルプロジェクト(TLP)に昇格している。
マルチテナント、動的な負荷分散、クラウド拡張などの特徴を備える。言語、フレームワーク、データなどのレイヤにカートリッジモデルを導入、これによりさまざまな言語に対応し、レガシーアプリケーションやコンテナでも容易にクラウド環境に移行できるという。コンポーネント間のやりとりにはメッセージバスとリアルタイムイベントバスを利用しており、サードパーティシステムとの統合や既存システムへの拡張が容易に行える。さらにApache jclouds APIを利用することで、任意のIaaSをプラグインで利用できる。リソースプロビジョニングでは、HTTPトラフィック以外を利用するアプリケーションも対象にできるため、ヘルスケアなどさまざまなデータを利用できるという。
Stratos 4.0はTLPとなって初のリリースとなる。負荷分散のアーキテクチャを変更し、マルチテナントカートリッジのサブスクリプションの仕組みを改善した。単一のJVMインスタンスでStratosを運用できるようにし、設定時の使い勝手に関する問題も修正した。自動拡張向けのリアルタイムの複雑なイベント処理もサポートした。
Apache StratosはプロジェクトのWebサイトより入手できる。
Apache Stratos
http://stratos.apache.org/