3年ぶりのメジャーアップデートとなる「GNU Make 4.0」リリース、Guileを統合
ビルドツール「GNU Make」開発チームは10月8日、3年ぶりの新バージョンとなる「GNU Make 4.0」をリリースした。拡張言語として「GNU Guile」を統合したほか、新しいコマンドラインオプションも加わった。
GNU Makeは、ソースファイルなどの依存性をチェックしてコンパイルやリンクなどの作業を自動実行するビルドツール。非常に多くのオープンソースソフトウェアで使われており、UNIX/LinuxのほかWindowsなど多くのプラットフォームで利用できる。
GNU Make 4.0は2010年に公開されたバージョン3.82以来の新版となる。大きな変更点として、Scheme実行エンジン「GNU Guile」の組み込みが挙げられる。GNU GuileはソフトウェアにSchemeとの連携機能を組み込むためのライブラリで、これによりSchemeを使ってMakeの機能を拡張できるという。「define」および「endef」マクロを使ってMakefile内にGuile用のSchemeプログラムを記述でき、記述したマクロはguileコマンドを使って実行できる。また、loadコマンドを使って外部ファイルに記述されたSchemeプログラムを実行することもできる。Guileはバージョン1.8および2.0以上が利用可能。
また、新たなコマンドラインオプションとして「–output-sync(-O)」が加わった。makeコマンドからの出力をグルーピングできる機能で、並行ビルドを行う場合に各ジョブからの出力が混ざってしまうことを防げるという。
同じく新たに導入された「–trace」コマンドラインオプションは、ターゲットの追跡を可能にするコマンドラインオプション。このオプションを有効にすると、「.SILENT」や「@」プレフィックスによって実行コマンドの出力が抑制されている場合でも実行されるコマンドが表示されるという。また、「–debug」コマンドラインオプションについてはn(none)フラグにより無効化が可能となった。これにより有効な全てのデバッグ設定を無効にできる。
このほかWindowsでjobサーバー、.ONESHELLの両機能を利用できるようになった。ファイルに書き込むための関数も加わった。80件以上のバグ修正も加わっている。
GNU MakeはプロジェクトのWebサイトより入手できる。
GNU Make
http://www.gnu.org/software/make/