「中途半端なものばかりだから作った」という動画管理/字幕ダウンロードツール「Filebot」――SourceForgeが選ぶ今月のプロジェクト

 米SourceForgeでは毎月1つのプロジェクトを投票で選び、「Project of the Month(今月のプロジェクト)」の栄冠を与えている。2013年5月の「今月のプロジェクト」に選ばれたのは、動画ファイル管理ツール「Filebot」だ。

 「Filebot」は日本ではあまりの無いツールだが、海外では人気のTV番組や映画などの動画ファイル管理ツールだ。ドラッグ&ドロップで指定したファイルの名前を正規化したり、インターネット上にある字幕情報アップロードサイトから対応する字幕データをダウンロードする、といった機能を持つ。

 今回はFilebotプロジェクトの開発者であるReinhard Pointner氏に、メールを通じてインタビューを行った。

 ――Filebotというのは、どういうツールなんだい? どんなことができるの?

 Reinhard:TV番組や映画などの動画ファイル名を変更して管理するためのツールなんだ。どんなファイル名でも、多くの場合オンラインのデータベースからエピソードタイトルや映画のジャンルといった追加メタデータでマッチするものを見つけることができるんだ。それから、それに対応した字幕データをダウンロードして、SFVファイルを作成または検証することができる。

Filebot

 ――どんな技術を使って開発されているの?

 アプリケーションの大部分はJavaで書かれているんだが、GUIキットとしてSwingを、ユーザースクリプト用エンジンにGroovyを使っている。FileBotはmiglayoutやnekohtml、ehcache、jna、mediainfo、7zip-jbindingsといったサードパーティのライブラリもいくつか使っている。

 ――FileBotプロジェクトを始めたきっかけは?

 Reinhard: いわゆる「痒いところに手を伸ばす」ってやつで、もともと個人的にあればいいなと思っていたものを作ったんだ。ファイル名を変更したり、字幕をダウンロードしてSFVファイルを検証してくれるまともなツールがなかったんだ。中途半端なプロジェクトばかりでさ。誰かが、何とかしなきゃならなかったんだ。

リネーム履歴ダイアログ

 ――プロジェクト始動から6年経つけど、まだやることが残っているんだよね? FileBotの今後についても聞かせて。

 ファイル名の自動検索ロジックには常に想定外のパターンが付きまとうものなんだが、今はだいぶ落ち着いてきている。ハッシュやメタデータに関する巨大データベースを構築して、どんなファイルでもエピソードや映画のデータに完全な正確さでマッチさせるさせることができれば、最高だよね。

 それから、字幕のアップロードは長年の目標だよ。

 ――このプロジェクトに参加したい人はどうしたらいい?

 Reinhard: 簡単さ。まずはチュートリアルを書いて欲しい。情報があまり出回ってないし、特に、様々な状況に応じたチュートリアルはあまりできが良くない。

 上級者ならエピソードや映画をネーミングするためのFormat関数、そして自動化スクリプトはすぐに書けるだろうし、ほかの人がコピペするだけでいいようにスクリプトを提供することもできる。しつこいようだが、とにかくチュートリアルが必要なんだ。

 ――「今月のプロジェクト」の受賞おめでとう!これからの活躍も期待しているよ。