ブロックを組み合わせてプログラミングができる「Scratch 2.0」リリース

 MIT Media Labは5月9日、グラフィカルなプログラミング言語環境「Scratch」の最新版「Scratch 2.0」をリリースした。Webブラウザ内でのプロジェクト作成機能などが加わっている。

 Scratchは各種処理や条件分岐、ループなどが定義された部品をグラフィカルな操作で組み合わせることでプログラミングを行えるのが特徴のオブジェクト指向プログラミング言語。主として8歳~16歳の子供をターゲットとしており、ブロック感覚でアニメーションやゲームを作成できる。MIT Media LabのLifelong Kindergarten Groupが開発しており、Flashで実装されている。無料で利用でき、Adobe Flash Player version 10.2以降およびChrome 7以降/Firefox 4以降/Internet Explorer 7以降のWebブラウザで動作する。

 Scratch 2.0では、プロジェクトエディタが改良されている。新たにプロジェクトの作成や編集、閲覧がWebブラウザ上で可能になり、これまで必要だったダウンロードやアップロード、ソフトウェアのインストールが不要となる。ログイン時は自動で変更が自動保存されるという。

 ベクターグラフィックに対応したペイントエディタが加わったほか、プロジェクト間でスプライト、コスチューム、スクリプトをコピーできるBackpack機能も加わっている。また、Webカメラを使った作成、独自のプログラミングブロックの作成なども可能となっている。

 コミュニティ機能も強化され、作品閲覧時にその作品のコードを見ることができる「See Inside」ボタンや作品をフォークできる「Remix」ボタンの導入なども行われている。

 プロジェクトでは今後、オフライン版のプロジェクトエディタなどの機能を予定しているという。

 なお、2013年5月19日には東京都多摩市でScratchに関するワークショップやデモ展示、セミナー、ライトニングトーク、ハッカソンなどを行うイベント「Scratch Day 2013 in Tokyo」が開催される。参加費は無料。

 (2013年5月16日18:40追記)記事公開当初、「ライセンスはGPLv2(一部のプラグインはMIT License、素材などはCreative Commons Attribution-ShareAlike 3.0)。Mac OS X、Linux、Windowsで利用できる。」としていましたが、Scratch 2.0は旧版のScratch 1.4とは異なり、Flashで書き直されたクラウド型アプリケーションになっているとのご指摘をいただきました。Scratch 2.0ではSqueakは使われておらず、現時点ではソースコードも公開されていません。そのため、記事本文をそれに即したものに修正しています。

Scratch
http://scratch.mit.edu/

Scratch Day 2013 in Tokyo
http://scratch-ja.org/scratch-day-2013-in-tokyo