GNU標準の文書生成システム「Texinfo 5.0」リリース
2月17日、オープンソースソフトウェアのドキュメント作成に広く利用されているドキュメント作成システム「Texinfo」の最新版「Texinfo 5.0」がリリースされた。2008年4月にリリースされたバージョン4.12以来のメジャーアップデートとなる。texiファイル内で利用できる新たなコマンドが追加されたほか、変換ツールも改良されている。
Texinfoは「texinfo」もしくは「texi」形式と呼ばれるマークアップ付きのテキストファイルからテキストファイルやDVI、HTML、info、PDF、XML、DocBookといった複数の形式のドキュメントを作成するソフトウェア。Richard M. Stallman氏とBob Chassell氏によって開発がスタートし、現在はGNUプロジェクト傘下で開発が進められている。Texinfoを利用することで、単一のソースファイルからさまざまなデバイス/ソフトウェアで閲覧したり、見やすい形で印刷できるドキュメントを容易に作成できる。GNUプロジェクトで公式の文書作成システムとして採用されているほか、さまざまなドキュメント作成で使われている。
Texinfo 5.0では、より簡潔にドキュメントを記述するためのマークアップコマンドの追加や改良が行われている。ノード名中でコマンドが利用できるようになったほか、「@」で始まるコマンドが生フォーマットブロックでも認識されるようになった。また、指定したコマンドが利用できるかどうかを判断する@ifcommanddefinedや@ifcommandnotdefinedといったコマンドや、章のグループを定義する@partコマンド、URLやリファレンス文字列での改行を制御する@urefbreakstyleコマンドなどが追加されている。
texiファイルからTexinfoがサポートする任意のフォーマットのドキュメントを作成する「texi2any」コマンドや、PerlのPOD形式ドキュメントをTexinfo形式に変換する「pod2texi」コマンドの追加も行われている。なお、PerlでのTexinfo実装ではPerl 5.7.3以上およびEncodeモジュールが必要となる。Perlでの実装はCでの実装の上位互換となり、複数マニュアル間にわたる参照など、いくつかCで実装されたバージョンには搭載されていない機能も実装されている。
Texinfo 5.0はGNUプロジェクトのWebサイトなどからダウンロードできる。ライセンスはGPLv3。