Windows 向け Git GUI: Git Extensions

 Gitは良さそうだけど、Windowsで使うにはGUIがない、と思っている人も多いかもしれない。 今回はフル機能のWindows向けGUIを提供する「Git Extensions」を紹介する。

インストール方法

インストーラーは良くあるソフトと同じく普通のウィザード形式になっている。 すべてディフォルトのまま「次へ」で進んでも構わないが、 気になる点がある人は変更しておこう。

まず、Git Extensions をシェル拡張としてエクスプローラに統合するかどうかが 選択できる。これを有効にしておくと、ファイルを右クリックしたときのコンテキスト メニューから、各種 git の操作が簡単にできるようになる。ディフォルトの on で問題ないが、 off にしても Git Extensions 自体は問題なく利用できる。 Tortoise シリーズと違って Git Extensions ではシェル拡張は必須ではない。

また、ssh 接続のために putty か openssh のどちらかを使うか質問される。 これに関しては、特に理由がなければ推奨されている putty を選択しておこう。 putty のであれば、メニューからキーツールやエージェントの起動が可能に なっているなど、Git Extensions との親和性が高い。

最後に、このインストール中に平行して msysgit と KDiff3 のインストールを行うかどうか質問される。 Git Extensions の動作に必要なため、既にインストール済みでない場合は インストールしておこう。

基本的な使い方

Tortoise シリーズに慣れている人は戸惑うかもしれないが、Git Extensions は基本的にスタンドアローンアプリケーションだ。 まずレポジトリの場所を指定して開き、それに対する各種操作をメニューから選択する と言う操作方法になる。 インストール時にシェル拡張を入れた場合は、このレポジトリのオープンと操作の選択 をコンテキストメニューからショートカットで行う事が出来るが、最終的に起動する ツールは同じ物だ。

ともあれ、外部のレポジトリをクローンして変更を手元でコミットするところまでをやってみよう。 インストールが終了するとスタートメニューおよびデスクトップにアイコンが追加されるので、 こちらから起動する。 起動時には設定内容が自動的にチェックされる。問題があれば赤く表示されるので修正する必要がある。 初期状態では自分の連絡先が設定されないされていないため、必ずチェックリスト画面が表示される。 Email が赤くなっているので、まずこれをクリックして設定しよう。

設定が終わると Git Extensions のメイン画面が表示される。 この状態ではまだレポジトリは開かれていない。 既に手元のコンピュータにレポジトリがある場合は左の方に並んでいる Getting Started から Open repository を選べば開くことが出来る。 今回は外部から clone してくるので、 Clone repository を選択する。

クローン元と保存先を選択するダイアログが開かれるので、Repository to clone には 相手の git URL を指定する。そのまま msysgit に渡されるので、git が解釈可能な ものならば何を指定しても構わない。 サンプルでは git のマスターである git://git.kernel.org/pub/scm/git/git.git を指定している。

正常に clone が終了すれば、今ローカルに持ってきたレポジトリを開くか聞かれるので 「Yes」を選択しよう。すると、該当レポジトリのコミットツリーが表示された状態になる。 この状態になれば、レポジトリに対して各種コマンドを実行できる。

では、今 clone してきたレポジトリにコミットしてみよう。 該当レポジトリ内のファイルを適当に変更し、ツールバーの「Commit」を押すと 現在の HEAD に対する diff の表示と、コミット操作の為ダイアログが開く。 左上に変更されたファイルがリストされているので、まず「Stage selected files」 を使って下のボックスに移動する。次に右下のボックスにログを書き込み、 「Commit」ボタンを押せばコミットが完了する。

さらに

Git Extensions を使えば、良くあるレポジトリ操作コマンドは全て GUI から実行できる。 ここに無いものの場合は git bash を起動すれば、msysgit の全てのコマンドが利用できる。