WAMP環境を手軽に実現する「WampServer」のインストールと使い方

 手軽にWebアプリケーションを作るためのプラットフォームとして、LAMPと言う言葉が使われるようになって久しい。LAMPは「Linux、Apache、MySQL、PHP」の略だが、LinuxをWindowsに置き換えたいわゆる「WAMP(Windows、Apache、MySQL、PHP」環境を構築するためのパッケージも存在する。このようなパッケージを利用することで、Windows上でApache+MySQL+PHPの環境を一発で構築できる。今回は、そのようなWAMPパッケージの一つである「WampServer」を紹介する。

 WampServerにはGUIで設定を行える管理ツールが付属しているほか、データベースの管理ツール「PHPMyAdmin」も標準でインストールされ、コンソールでの設定が不慣れなユーザーでも使いやすいのが特徴だ。

図1 WampServerのAbout画面。Webブラウザ経由で表示できる
図1 WampServerのAbout画面。Webブラウザ経由で表示できる

WampServerのインストール

 WampServerのインストーラは、一般的なWizard形式のものだ(図2)。基本的には「次へ」を選択して進めて行けば良い。ただし、「PHPのメール設定」と「起動するブラウザ選択」という項目には一応注意しておこう。

図2 WampServerのインストールウィザード
図2 WampServerのインストールウィザード

 まず「PHPのメール設定」画面では、PHPで利用するSMTPサーバーを指定する(図3)。PHPのメール送信機能を利用する場合は、ここで有効なSTMPサーバーを入力しておく必要がある。この設定は後からでも変更できるので、よく分からない場合やメールを使用しない場合はそのままでも構わない。

図3 PHPで利用するSMTPサーバーの設定画面
図3 PHPで利用するSMTPサーバーの設定画面

 また、「起動するブラウザ選択」画面では、PHPMyAdminなどWebベースのツールを表示するために利用するWebブラウザを設定する。Firefoxがインストールされている場合は自動的にFirefoxが選択されるので、「はい」で進めて構わない。それ以外の場合は、ここで起動するブラウザを選択しておこう。なお、標準ではInternet Explorerが選択された状態になっている。

図4 WampServerで利用するWebブラウザの設定
図4 WampServerで利用するWebブラウザの設定

WampServerの基本的な使い方

 WampServerのインストールを完了すると、タスクバーの通知領域にアイコンが表示される。このアイコンをクリックするとメニューが表示され、ここからサービスの起動停止、設定の変更、設定ファイルの編集などが可能だ。

図5 システムトレイに表示されるWampServerのコントロールメニュー
図5 システムトレイに表示されるWampServerのコントロールメニュー

 また、Apache、PHPについてはこのメニューから簡単な設定を行える。モジュールのOn/Offなど、簡単な設定であればここでチェックを変更するだけで行える。もちろん、もっと細かい設定が必要な場合は設定ファイルをエディタなどで開く必要があるが、これもメニューから実行できる。

図6 各サーバーの起動/停止もメニューから実行できる
図6 各サーバーの起動/停止もメニューから実行できる
図7 メニューから可能なPHPの設定。Apacheも同様にメニューからの設定が可能だ
図7 メニューから可能なPHPの設定。Apacheも同様にメニューからの設定が可能だ

 なお、MySQLに関しては、標準でインストールされるPHPMyAdminを利用して設定や管理が行える。また、サーバー自体の設定は設定ファイルである「my.ini」をエディタで編集しておこなう。

図8 標準でインストールされるMySQL用の管理ツール「PHPMyAdmin」。こちらもメニューから起動できる
図8 標準でインストールされるMySQL用の管理ツール「PHPMyAdmin」。こちらもメニューから起動できる

サービスのコントロール

 WampServerのインストールが完了すると、Windowsサービスとして「wampapache」(Apache)と「wampmysql」(MySQL)が自動的に追加される。WampServerのコントロールメニューを使わなくても、管理ツールの「サービス」からこれらサーバーの起動/停止が可能だ。

図9 WampServerによってインストールされるサービス
図9 WampServerによってインストールされるサービス

 これらのサービス自体を削除したり、また再度インストールしたい場合は、WampServerのコントロールメニューにある「InstallService/RemoveService」を選べばよい。

図9 サービスの削除/復活もメニューから可能
図9 サービスの削除/復活もメニューから可能
今回紹介したツール:WampServer