Eclipseに日本語化言語パックを導入する
NTTデータ、NTTデータビジネスブレインズ、うぃるの3社は、オープンソースの統合開発環境であるEclipseの日本語化言語パックを無償で公開しました(ニュース記事)。日本語化言語パックはバージョン3.2まではEclipse Foundationから提供されていましたが、3.3からは提供されなくなり、日本のユーザーは不便を強いられていました。本稿ではその適用方法を説明します。
公開された日本語化言語パックには、
の2つが用意されています。ここではEclipse 3.4.1をインストールし、3.4.1用の言語パックを適用することにします。
JDKのインストール
EclipseはJavaで開発されているため、Eclipseを実行するにはJavaが必要になります。Sunが提供しているJavaには実行環境のみのJRE(Java Runtime Environment)と開発環境を含むJDK(Java Development Kit)の2種類があります。EclipseはJREでも動作しますが、これからJavaで開発を行うのであれば、JDKをインストールしておいたほうが無難です。JREがすでにインストールされている場合も、Sunの配布ページから最新のJDK(原稿執筆時点ではJDK 6 Update 10)をダウンロードし、インストールしておいてください。
Eclipseのダウンロード/インストール
それではEclipseをインストールしましょう。Eclipseの公式サイトにアクセスしてページ中央にある「Download」ボタンをクリックすると、配布ページに移動します。ここには公式のEclipseディストリビューションとして、開発言語ごとにJEE(Java Enterprise Edition)用、Java用、C/C++用の3種類が用意されています。さらに「Featured Member Distro」としてあらかじめプラグインを同梱したものが4つ用意されています。この中から自分の目的・環境に合う物をダウンロードしてください。今回はJEE用のWindows版(eclipse-jee-ganymede-SR1-win32.zip)をダウンロードしました。目的のディストリビューションのリンクをクリックするとミラーサイトを選択するページが表示されるので、地理的に近いと思われるサイトを選択してダウンロードしてください。
Windows版のパッケージはzipファイルになっています(Mac OS X版とLinux版はtar.gzファイル)。特にインストーラなどは存在せず、zipファイルを展開してフォルダごと適当なディレクトリに配置すればインストールは完了です。ここではC:ドライブの直下にeclipseディレクトリを配置しました。
日本語化言語パックの適用
次に言語パックを用意します。SourceForge.JPにあるNTTデータグループ・オープンソーススクエアから、言語パックをダウンロードしてください。ページトップにある「Eclipse 3.4.1 日本語化言語パック(サードパーティ版)」のリンクをクリックします。移動先のページに言語パックの一覧があります。言語パックは公式サイトにあるEclipseディストリビューションごとに用意されているので、自分がインストールしたディストリビューションに対応する言語パックを選んでください。ここではJEE用の「NLpackja-eclipse-java-ganymede-SR1-blancofw.zip」をダウンロードしました。
言語パックのzipファイルを展開するとeclipseフォルダが作成されるので、このeclipseフォルダの中身(featuresフォルダとpluginsフォルダ)をEclipse本体のフォルダ(ここでは「C:\eclipse」)にドラッグ&ドロップしてください。「すでに同名のフォルダがある」旨の警告ダイアログが表示されるので、「すべて上書き」をクリックします。これにより、言語パックのfeaturesフォルダの中身が「C:\eclipse\features」に、pluginsフォルダの中身が「C:\eclipse\plugins」に追加コピーされます(Eclipseにもともと付属しているファイルは削除されません)。
以上で言語パックのインストールは完了です。言語パックはインストールするだけで有効になるので、Eclipseを再起動するとメニューやダイアログなどのメッセージが日本語化された状態になります。以下は言語パック適用前後のEclipseの画面です。
図2 ワークスペースの選択ダイアログ。言語パック適用前(上)と適用後(下)
図3 設定画面。言語パック適用前(上)と適用後(下)
図4 メインウィンドウとメニュー。言語パック適用前(左)と適用後(右)