JavaによるAjax開発が可能なRIAサーバ「Eclipse RAP 1.0」が公開
Eclipse RAP 1.0は、OSGi(Open Services Gateway initiative)標準をベースにしたEclipseのコンポーネント・モデルを採用しており、既存システムと連携するコンポーネントベース・アプリケーションの開発が可能になっている。
イノープラクトのRAPプロジェクト・リーダー、ジョーケン・クラウス氏によれば、RAPではAjaxアプリケーションを「完全にJavaで作成できる」という。「RAPのメリットはそこにある。多くの開発者が Javaコードの書き方を知っているが、企業IT部門には、JavaScriptに精通している開発者はほとんどいないのだ」(同氏)
さらにクラウス氏は、「RAPの大きな強みは、開発者がEclipseのコンポーネント・モデルを利用して、プラグインでアプリケーションを拡張できることだ」と説明した。
RAP 1.0では、同じJavaコード・ベースからRIAとEclipse RCP(Rich Client Platform)の両方を作成することができる。また、ユーザー・インタフェース、複雑なウィジェット、データバインディングなどをサポートする Ajaxアプリケーションを構築するためのJava開発ツールおよびフレームワークが提供されている。
早期ユーザーの1人、オートノマインドのCEO、ロバート・サンチェス・カストディオ氏は、「Eclipse/RCP技術のスキルがある人にとっては非常に使いやすい。また、RAPによる開発は、Javaデスクトップ・アプリケーションの開発と概念的に似ている部分が多い」とRAPを評価した。すでに同社は、RAPで公開Webアプリケーションを作成している。
さらにカストディオ氏によれば、RAPのMilestone 2リリースでは、APIが変更されていたり、バグがあったり、ドキュメントが貧弱だったりといった問題があったが、これらのほとんどは、今では解決されているという。
ただし、Windows対応のビジュアル・グラフィカル・エディタなど、ほかのJava Webフレームワークでは提供されているが、RAPには欠けている機能もあるとのことだ。また、カストディオ氏は、RAPはJava Web開発者ではなく、Eclipse/RCP開発者を重視しすぎているとの見方も示した。
なお、クラウス氏は、Eclipse関連のもう1つのAjaxプロジェクトである「Ajax Toolkit Framework(ATF)」とRAPとの違いについて、ATFはAjaxに対応したIDE(統合開発環境)を提供するが、RAPはAjaxアプリケーションのサーバ・ベースの実行環境だと説明した。
(ポール・クリル/InfoWorld オンライン米国版)
Eclipse Foundation
http://www.eclipse.org/
提供:Computerworld.jp